感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タカラ~ム
6
暗闇の中で向けられる強烈な懐中電灯の光。相手の声は聞こえてもその表情は光の向こうで影となり窺い知ることはできない。作家にとって媒体の向こう側から批評をぶつけてくる者とは言葉のみにて感情を知ることのできない不安な存在となる。そこには壁がある。そして、その構図はネット上で起きている匿名性を利用した応酬にも通じるものがあるように思う。読み終えてからだいぶ時間が経っているのだが、時間が経てば経つほど、パク・チュンが追い詰められている過程が現代社会でもリアルに起きているように感じされてきた。2023/03/23
GO-FEET
4
「作品の背景にあるのはいうまでもなく一九五〇年六月二十五日に勃発し、一九六三年七月に停戦した朝鮮戦争だ。北(朝鮮民主主義人民共和国)の人民軍と南(大韓民国)の国軍が、それぞれ中国軍や国連軍の支援を受けながら一進一退を繰り広げる間に、膨大な数の避難民が発生し、社会のさまざまな伝統や常識が崩壊した。戦争前から智異山などの山岳地帯ではパルチザン(人民軍の遊撃隊)がゲリラ活動を展開しており、夜間に国軍の部隊や警察署、官公庁などを攻撃したり、地域の住民に協力を強要したりしていた。」(訳者解説)2020/12/27
まうんとふじ
0
狂ってるのは誰なのか 作家はいつでも冷静にいなきゃいけないのか ラムネ氏みたいな感覚2022/01/26