感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小鈴
18
師茂樹「AI・仏性・倫理」は面白かったけれど、結論からいうと扱いは慎重にって感じですね。AI開発における倫理。IEEE(米国電気電子学会)のEAD(倫理的に配慮したデザイン)において西洋以外の倫理的伝統の知見をデザインや開発プロセスに導入すべきと主張。AI開発は古今東西の倫理的な伝統が対話する場になっている。仏教的な文脈では生命の有無が道徳的被行為者の有無の分かれ目。まず、EADでも参照される森政弘の仏性論。ロボット(=非生物)には仏性がある。「人工知能は、生まれ落ちたときには、いわば解脱した状態」→ 2021/04/01
小鈴
15
末木文美士の創刊のことば。「いま、あらためて『近代の終焉』がいわれている。そこには、かつての『近代の超克』『世界史の終焉』などより、さらに深刻で本質的な意味がはらまれている」。「今こそあらためて、『近代』に由来するものではない思考の端緒を探求し、これまで排除されてきた着想の種子を掘り起こして、未知なる天窓を押し開き、『近代の外』に吹き渡る風を引き込むことが求められているのではないか」。「さあ、ともに船出しよう。未来へ向かって。」2021/04/01
KakeruA
0
近代の終焉に伴う新たな情報テクノロジーの時代における哲学とは何かを語られているのかと思ったが、日本やアジアなど東洋哲学や思想を再解釈するような内容が多くて少し期待外れな感じだった。コロナ禍という惑星課題を前に、まさに近代を終えることができた国家とそうでない国家の溝が深まりを見せている。起こりうる変化を多元的に捉え、これからの未来を見据える可能性を東洋哲学に見出してるのは興味深い。2021/05/25
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