内容説明
哲学を地盤変えした書!近代西欧原理の「主客分離/主語制/社会/自我自己」に対して、日本文化から「主客非分離/述語制/場所/非自己」の普遍原理を抽出した、世紀的な哲学・文化考察。近代産業社会の行き詰まりを開いていくべく、日本語、日本文化技術から述語制様式を普遍として示し、あまたのナショナルな日本文化論が辿りつかなかった理論次元を明証に新たな概念空間へとうきださせた。箸はいかなるものをも掴むことができ、風呂敷はどんな物も包むことができる。フォークや鞄とは異なる道具の文化技術がそこにある。日本の絵画は客観表現ではない、日本文学に主語はない。自然と非分離に場所において情感を表現する非自己の感覚…。これは、新たな経済、政治の設計指針となる。
目次
プロローグ:日本という全称・特称
1 哲学地盤の転移:哲学設計の新原理(非分離の哲学;述語制の哲学;場所の哲学)
2 非自己の哲学閾(非自己の哲学)
新書のための論考 近代学問体系の転移と日本の述語的体系
著者等紹介
山本哲士[ヤマモトテツジ]
1948年生まれ。一般財団法人「日本国際高等学術会議」理事長。文化資本学会会長。文化科学高等研究院ジェネラルディレクター。教育学博士。元信州大学教授、元東京芸術大学客員教授。近代学問体系を超える超領域的専門研究を提唱、ホスピタリティ環境学、政治社会学、資本経済学、精神分析理論、言語理論、人類学などをもって現在社会を考察。企業との協働ワークを多々推進。日本の文化資本、述語制言語様式の言説生産をなしながら、場所環境の資本経済設計にとりくむ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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