感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobuko Hashimoto
21
ロシア語とロシア事情の専門家を育成するために旧満州に創設されたハルビン学院の歴史と卒業生の聞き取りをまとめた本。関係者はすでに鬼籍に入った方が多く、記念行事の参加者も減っているという。聞き取りや『学院史』からの引用が多く、リアルな雰囲気が伝わる。杉原千畝も外務省から派遣されてハルビン学院で学んでいるため、新しい発見や知見が得られるかと期待したが特になかった。2020/06/14
うえ
5
「ハルビンは19世紀末までアムール川の支流、松花江に面した小さな漁村にすぎなかった。だが、帝政ロシアと清朝との間で結ばれた李鴻章・ロマノフ条約(1896年)と遼東半島租借条約により、シベリア鉄道の支線として東清鉄道の敷設が許されてから大きく変貌した。ロシア人技術者が多数流入し、パリを模した町を建設し始めたのだ。その結果、地域の中心だったハルビンの人口が急激に増え、近代都市として発展、「東方のモスクワ」などと呼ばれた。1917年にはロシア革命が起き、社会主義に賛同しない人たちが、大量に本国から…移り住んだ」2025/09/13
晴天
1
ロシア語・ロシア事情の専門家養成機関として設立され、(多分に誤解もあるが)ソ連側からも高く評価され警戒もされて、閉校後も戦後の対ソ貿易・報道・研究において卒業生が大きな役割を果たしてきたハルビン学院について、数少ない生存者へのインタビューや残された記録から足跡を辿る。生存者への取材はもちろん遺族が持つ資料提供も時間と共に難しくなることを考えると、本書の意義は深い。曲がりなりにもロシア語を学び、多少なりともハルビン学院卒業生による授業を受けた身としては、先人たちの苦労と活躍の軌跡には今なお奮起を促される。2020/08/09
Shun'ichiro AKIKUSA
0
勉強になりました。2020/05/29