内容説明
多様性・意思・感情・寿命・時間…迷いなく生きるための生命講義。
目次
はじめに 生命の原則に抗って生きるために
第1章 生命に共通する原則とは何か―客観的に捉える
第2章 生命原則に抗い、自由に生きる―主観を活かす
第3章 一度きりの人生をどう生きるか―個人への応用
第4章 予測不能な未来へ向け組織を存続させるには―経営・ビジネスへの応用
第5章 生命としての人類はどう未来を生きるのか
著者等紹介
高橋祥子[タカハシショウコ]
ジーンクエスト代表取締役。2010年京都大学農学部卒業。2013年東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻博士課程在籍中に、遺伝子解析の研究を推進し、正しい活用を広めることを目指すジーンクエストを起業。2015年同学博士課程修了。2018年株式会社ユーグレナ執行役員就任。受賞歴に経済産業省「第二回日本ベンチャー大賞」経済産業大臣賞(女性起業家賞)、「日本バイオベンチャー大賞」日本ベンチャー学会賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミライ
33
人が生きていく中で起こす行動や、行動によって発生する問題や課題を生命に共通する原則を基に解説した一冊(著者は生命科学者の高橋祥子さん)。2020年に発生た新型コロナ騒動など、先行きの見えない世の中を生きていく上でのヒントを得られる作品だと思う。生命科学は全くの素人だがかなり 多方面に応用できる学問であることがわかった。2021/01/21
読書ニスタ
27
生殖によって新しい遺伝子の組み合わせを作り、時に天才が時に犯罪者が、時にガンが生まれる。しかし、手が八本になったり、目が10ヶになったりしないのは何故か。著者は多様性に反応しているが、遺伝子は、出来るだけ同じものを作ろうとしていて、かなり保守的なのではないか。2021/04/06
ちくわ
20
身の回りの課題はすべて生命原則に基づいているからどうしようもない、仕方ないと諦めるのではなく、むしろ高い視点から見てそれを楽しむことも出来るのではないかと思いました。流されるところと逆らうところを自分で選択しコントロールするように。(☆4)2022/03/14
ペリ
19
個人的に「主観を持つ人間は創造主に歯向かえる」の章が好きです。個人や社会に蔓延る生命原則、遺伝子情報に基づいた思考と行動を理解し、それらを課題として取り組むことが出来る生物。解消に向かって行えることと、そうでないことの切り分けがつくだけで生きやすくなる気がします。2021/12/29
まいこ
16
読了後たまたま精子ドナーの話題を見て、知的に優秀な遺伝子や特定の形態の遺伝子を求めるというのもひどく多様性を失う話だし、そもそも性質や形態が遺伝子と一対一で対応しているわけでもないし、時間的視野を広く取れば、特定の方向に向けて進化が進むのは種の将来にとってどうなんだろう?なんて考えてしまった。失敗を織り込み済みで累積的探索量を増やしていたから、これまでの環境の変化の結果として今の種が残っていて、方向性や目的のない探索はこれからも続く。性を持たない生物もいれば有性生殖するものもいて、性の多様性も進化の途中2021/06/01