内容説明
学校って変な場所だよね。生徒はつまらない校則を守る。教員はつまらない装いをする。お互いが茶番劇であることを承知のうえで、多くの教室はそうやって均されている。学校ぎらいだった大人と、学校ぎらいの子どものためのエッセイ集―。
目次
あなたの話
とびきりのくだらなさで
名前がある
よそ者のまま
いま、ここにひらかれている
安心できてつまらない
がっこうはじごく
一瞬間のアジール
ふたりの幽霊
たったひとりに
問い直す
先生じゃない
ばらばらな声
雑談と同僚性
止まり木から
学校という引力
先生なのに、口が悪い
だれとしてそこにいるのか
とりどりのコートと赤い耳
春の匂いがわからない
著者等紹介
堀静香[ホリシズカ]
1989年神奈川県生まれ。歌人、エッセイスト。「かばん」所属。上智大学文学部哲学科卒。中高国語科非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちびたぬき
6
学校が好きではないのに非常勤講師を続けている歌人の本。でも学校が好きでたまらず教師になった人間だけの学校も息が詰まるのではないだろうか。いろんな先生がいていいのだと思う。私はたまたま正式に採用されて30年以上高校で国語の教師をやってきたけれど、それでも、この人の話に共感したり勉強になったことも多かった。今は実業高校で、前任校に比べると韻文や作品作りの時間が増えたので特にそう思うのかもしれない。彼女からしたら私はどっぷり学校に染まっている側の先生だと思うが、それでも生徒の逃げ場は作ってあげたいと思っている。2024/12/01
𝐂𝐄𝐋𝐄𝐒𝐓𝐈𝐍𝐄
3
浪人の秋になっても、勉強に身が入らなかったのに、あっさり上智に受かっちゃうの(しかも滑り止めとして)、要領も頭もいいんだな〜と思った。あとは「ふたりの幽霊」に出てくる、ヨシザワ先生がものすごく良かった。リスとかハムスター、熱帯魚を飼いたいって児童が言ったら本当に飼ってくれて、帰りの会には流行りの曲をTSUTAYAでレンタルして流してくれるなんて、楽しそうすぎる。私もそんな先生に出会ってみたかった!2025/06/05
金平糖
3
B。2025/02/01
_suimin_oysm
1
1人くらいはこういうこと考えてる先生がいるってもっとはやく知りたかったなー 2025/08/11
manabukimoto
1
面白く、考えさせられる本。 筆者は高校の先生。幼稚園児の子がいる。 勤務先の高校の卒業式のつまらなさからエッセイは始まる。ただただ形式的、管理職の話は無論、答辞も送辞もつまらない。誰一人「自分」を語らない。 対照的に幼稚園の卒園式。ただただ自由。好きなお芝居をしたり歌を歌ったり。 「生徒の前で『先生はね』と自称する教員のことを、わたしはずっと馬鹿にしていた。自分で『先生』なんていうなよ、と』p156 だが、学校で先生を「演じ切る」ことの大切さもある。 生徒と相対している「私」は誰なのか? 松本 栞日 蔵書2024/11/21