内容説明
被差別部落解放運動関係者に歌い継がれている「解放歌」は、福岡県出身で、全九州水平社設立の主導者でもあった柴田啓蔵(1901~88年)により作詞された。「水平社宣言」からも刺激と影響を受け、部落解放・人間解放の願いが込められた「解放歌」の成立過程と数奇な運命をたどる柴田の生涯を、当時の時代と社会的背景の中で明らかにする。
目次
第1章 「解放歌」に込めた思い―柴田啓蔵自身による文章(柴田啓蔵直筆の「解放歌」;「解放歌」の意味 ほか)
第2章 柴田啓蔵の生活史(生い立ちと部落差別・解放の原点;全九州水平社創立前後の柴田 ほか)
第3章 柴田啓蔵作詞「解放歌」の移り変わり―柴田資料・「水平新聞」・「水平月報」・「解放新聞」などを中心として(柴田「水平歌」が生まれるまで;柴田「水平歌」がたどった戦前・戦中の道 ほか)
第4章 全国・全九州水平社、「解放歌」の授業・啓発教材(したたかにしなやかにこだわりつづける―次の世代に届けたい、わたしがとりくんだ「同和」教育のス・テ・キ;その時、柴田啓蔵は?―柴田啓蔵を紹介した授業実践)
第5章 柴田啓蔵の年譜・事跡目録
著者等紹介
森山〓一[モリヤマセンイチ]
福岡県田川市石炭・歴史博物館館長、(公社)福岡県人権研究所前理事長(現執行理事)、福岡県立大学名誉教授、福岡県日中友好協会会長・全国理事、教育学博士。1946年、中国(瀋陽市)に生まれ、日田高等学校から九州大学教育学部大学院(1972年修了)
和智俊幸[ワチトシユキ]
嘉麻市立碓井小学校教諭。柳川高等学校から島根大学教育学部(1984年卒業)。前嘉麻市人権・同和教育研究協議会事務局長(2016~19年度)。上山田・目尾・立岩・稲築東・稲築西小学校を経験
横田司[ヨコタツカサ]
嘉麻市立稲築東小学校教諭。豊田西高等学校から福岡教育大学(1983年卒業)。元嘉麻市人権・同和教育研究協議会学校同和教育部事務局員(2014~19年)
坂田美穂[サカタミホ]
大牟田市立駛馬小学校教諭。三池高等学校から福岡教育大学(1981年卒業)。大学で部落問題に出会い、故・川向秀武研究室で学び、解放子ども会活動(博多区)に関わる。福岡県教組人権教育部会専門委員。福岡教育大学授業実践講師経験。一貫して小学校で学級担任をし、厳しい生活を抱えた子どもたちに関わり続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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