内容説明
地下から陸続と立ち現れる簡牘帛書等の出土文字史料は、いまや中国古代史を研究するうえで避けて通れないものとなった。まとまった簡牘の獲得は二〇世紀初頭に始まるが、その研究が本格的に開始され、「木簡学」が提唱されるのは一九七四年といささか遅れてのことであった。著者は日本における漢簡研究の揺籃時代より、二〇〇二年に急逝するまでの半世紀にわたり「木簡学」分野における国際的なトップランナーのひとりであった。その著者が初学者に向けて著した本書もまた、初刊より三五年を経てなお朽ちぬ魅力をたたえた、「木簡学」の基本書である。
目次
木簡学への誘ない
木簡とは何か―その形と名称
フィールドの木簡と墓中の木簡
対匈奴防衛線の展開―シルク・ロードの探検と木簡
カレンダー―月と日と時と
地方官吏の世界―文官と武官
スクランブル―騎士と戍卒
前線での刃傷沙汰―さまざまな事件やトラブル
冥土へのパスポート
文書政治と帳簿の査察
木簡学の華―冊書の復原
書きつぶしと削り屑
著者等紹介
大庭脩[オオバオサム]
1927年、京都市生まれ。生後ほどなくして大阪府にうつる。1950年、龍谷大学文学部東洋史学科卒業。1953年、同大学院文学研究科東洋史学科修了。聖心女子大学文学部(小林分校)専任講師・助教授を経て、1960年に関西大学文学部助教授、1965年に教授。1994年より大阪府立近つ飛鳥博物館館長。1997年3月に関西大学を定年退職し、同年4月より皇學館大学大学院教授。2000年に皇學館大学学長に就任。2002年11月27日、急性白血病により逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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電羊齋