内容説明
激動の2020年代を予告した宮台流“実存批評”の原点。“世界”の核心に迫る、宮台真司の最新批評集。
目次
『リップヴァンウィンクルの花嫁』―あまたの寓話が響き合う、半世紀に一本の傑作
『クリーピー 偽りの隣人』―映画『クリーピー』には『CURE』以降20年間の“進化”がみごとに刻印されている
『バケモノの子』―言葉ならざる親子の関係を描く、細田守監督の慧眼
『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』―ギリシャ悲劇の王道に連なる、86分間の密室劇
『野火』『日本のいちばん長い日』―戦争を描いた非戦争映画が伝えるもの
『ドローン・オブ・ウォー』―テクノロジー使用がもたらす人倫破壊に対する、強力なる人倫の擁護
『岸辺の旅』―映画体験が持つ形式のメタファーとしての黒沢作品
特別対談 宮台真司×黒沢清―『“なりすまし”自動機械を止める』
『恋人たち』―“世界”を触知することで、主人公と観客が救われる傑作
『アレノ』『起終点駅 ターミナル』―潜在的第三者についての敏感さが失われている〔ほか〕
著者等紹介
宮台真司[ミヤダイシンジ]
1959年3月3日、宮城県仙台市生まれ。社会学者/映画批評家。首都大学東京教授。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。権力論、国家論、宗教論、性愛論、犯罪論、教育論、外交論、文化論などの分野で多くの著書を持ち、独自の映画評論でも注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆうきなかもと
7
宮台真司の映画批評が好きだ。彼の主著、あるいは代表作は何かと問われれば、『日本の難点』『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』そして、『経営リーダーのための社会システム論』を挙げたくなるのだが、これまで出された彼の映画批評本も侮れない。宮台真司の思想や実存、あるいは、世界と社会について知りたければ、これらの映画批評こそ読まなくてはならないのだ。2022/07/17
白眉新
0
久しぶりに理系本以外で、難しいと焦った本、加えて、字は小さいし分厚いし。。なのに完読。 1読目で得たのは、社会学(政治哲学?)が幸せに生きる見方・考え方を見出す学問なら、1「クソ社会」を現実と捉えるのも思い込みで、「クソ社会」こそ一時の夢と見る方法もある。2正しさ(正義)に楽しさ(享楽)がないとね かな。2022/10/16