内容説明
父の手は、いつも大きい。私は忘れない。ごつごつした手も、はたらきものの手も、ぶっきらぼうな手も、なにげない手も、しかる手も、気づかう手も、全部、あなたのあたたかい手だったということを…。
著者等紹介
チェドッキュ[チェドッキュ]
1974年生まれ、ソウル大学で西洋画を専攻。絵本作家の一人芝居で、読者との出会いを楽しんでいる。『ヨルミのヒヨコ孵化日記』で第20回チャンビ「良い絵本」企画部門優秀賞を受賞。ユンエディションの制作部長で絵本作家のキム・ユンジョンと『光を当てると』を制作。今後も、紙の味を生かした美しい絵本作りを続ける
申明浩[シンミョンホウ]
1986年来日。武蔵野美術大学大学院視覚伝達デザイン修士、東京大学総合文化研究科表象文化論博士課程満期退学。絵本の研究を始め、著作と翻訳、その他、絵本を題材にした原画展、図書館、美術館の企画等の活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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猿田彦
5
僕は父の片手に乗せられそうなほど小さかった。そんな小さな僕に、大きな手でおむつを替え、爪を切り、ご飯を食べさせてくれた。父の愛情の下で、僕はすくすく育ちいつの間にか父の伸長を超えた。大人になった僕は、今、父がしてくれたように父をお風呂に入れ、着替えを手伝っている。僕がしてもらったことと同じことを、父にしてあげている僕が本の左右のページに乗っている。文字はないが、本からはあふれるほどの愛情がこぼれてくる。2025/09/03
mntmt
5
言葉がなくても伝わる。涙出た。2025/07/05
飴
3
じーん。ボローニャ国際絵本展でこの本に出会って、日本語版が出たらぜったい読みたいと思っていました。文章がたった1行。すごい本でした。父の日付近に是非大人も子供も。2025/04/13
shoko.m
1
左右のページで過去と現在が対比されてて描かれている。赤ちゃんに差し出される父親の手と老いた父を支える息子のように。淡く、トーンを抑えたやさしい色合いのイラストは、見るものの心を穏やかな気持ちにさせてくれる。親と子の互いの愛情が描かれた温かい作品。一言だけで出てくる言葉に、気持ちがぶわっとあふれてくる。2025/08/30
NOYUKI
1
「父の手は大きい」たった一言だけのテキストが沁みる。親の手は特別。頭を撫でられるだけで大丈夫って思える。これは、お母さんじゃないとこが斬新かなあ。って思う。2025/08/06