内容説明
今、歴史研究者とか名乗っているヤツらも、子供のころ、いろんな歴史の「おもしろさ」に触れて、その道に入ったはずなのだ。オレのように―。そして歴史の楽しみ方は、なにも研究することばかりではない。小説・エッセーを書く、マンガやイラストを描く、ゲームをやる、あるいは作る。そして我が家で子供たちに昔の人の物語を語り聞かせる。それぞれの人が自分のやり方で歴史を楽しんでほしい―。中世史研究者、歴史愛好家、すべての歴史好きに贈る、前代未聞で形容しがたい、しかし抜群に面白い歴史読本。本書で歴史がもっと好きになることは請け合いです!
目次
黒幕(フィクサー)の懐古
道元と北条時頼
『延慶三年記』のこと
Who is大井入道?
降臨の時
断指
莫若(しくはなし)
家督
文士
勇士〔ほか〕
著者等紹介
細川重男[ホソカワシゲオ]
1962年東京都生まれ。立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、中世内乱研究会総裁(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
84
自分も『論考』等という、難しげなタイトルに騙されそうになった。かてて加えて1,800円なる高値。吉川歴史文化ライブラリーの一書に紛れていても不思議ではない。「歴史は少し高尚な娯楽」と言う亀田俊和先生のお言葉があるそうだが、釈文や論考については、熊野牛王宝印にお誓いになるに相応しく、真面目に、また、きっちりやられている。少しばかり描写が、ユニークであってわかり易すぎるからである。血生臭く情に満ち溢れた、中世という時代を歩く、初心者の杖としてはこれ以上の本はないかと思われる。コラム仕立てなので読みやすいです。2022/03/08
アン・シャーリーこと寺
50
細川重男、本が好きならこの名前は覚えておいて損は無いと思う。史料の現代語訳がハチャメチャで面白く、長らく絶版になって高額取引されていた『頼朝の武士団』が、大河ドラマ効果で、朝日新書から増補版で出たが、本書は細川さんが雑誌やブログ等に書いた短文雑文がまとめられている。いたって神妙に書かれたものもあるが、ユーモアたっぷりの現代語訳がなされた楽しい一文や、中世史を扱った替え歌等も並んでいる。それらで取り扱われている中世の話自体も面白く勉強になる。それゆえにいくらふざけていても、その真面目な書名に恥じない快著だ。2022/05/05
サケ太
23
めっちゃおもろい。堅苦しそうなタイトルに騙されることなかれ。著者独特のぶっ飛んだ意訳や替え歌で紹介される歴史上の人物やエピソード。硬いだけではない、歴史の面白さを味わえる1冊。まさか、大笑いさせられるとは。河村千鶴丸と下須房太郎秀方の話は、同年代の勝者とい敗者の話が現代にも伝えられているというのが面白かった。源義親、赤松則繁、山名時氏や強烈な人物も多く紹介されており、おすすめの1冊。2022/03/20
nagoyan
18
優。冒頭、コラム本である旨の起請文から始まる。語り口は、聊かおふざけが過ぎるような印象の軽妙さ。語られている内容は、大向こうを唸らせるものではないものの、ハタと膝を打つようなものが多い。業界外の人間からは、業界の一面を見るような楽しさもある。読むのに疲れることはないであろう。大変親切な本である。なので、苦情を言うほどことはないのだが、書名の堅さとかるーい内容との間の乖離は、若干気になるところ。が、研究者の力量を感じる良書。本書を読んで、歴史学を志す若者が現れれば著者でなくとも、嬉しく思うだろう。2022/03/11
スプリント
12
真面目な回もあればウラ話的な回もありバラエティに富んでいる。なぜか唐突に替え歌回もあり(それも結構な回数)意表をつかれた。 2022/04/17
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