内容説明
江戸時代の百姓は無学で読み書きできなかった?嘘!無力で弱い存在ではなく言うべきことは敢然と自己主張する人たちだった!古文書の読み方も解説!
目次
はじめに―百姓は無学で読み書きができなかった?
第1章 入門、江戸時代の村!
第2章 領主と村と百姓の関係
第3章 なぜ年貢をめぐって村人同士が争ったのか
第4章 水をめぐる協力と対立―農業用水・堤防・排水
第5章 武士に「もの言う」百姓たち―武士の罷免を求め、領主の人事に口を出す
第6章 イワシも屎尿も貴重な肥料―裁判をいとわない百姓たち
おわりに―協力しあい暮らしを守るたくましい百姓たち
著者等紹介
渡辺尚志[ワタナベタカシ]
1957年、東京都生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。一橋大学名誉教授。専門は日本近世史・村落史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
119
江戸時代の農村は幕府や大名の厳しい管理下にあったと思われがちだが、ほとんど農民の自治に委ねられていた実態を千葉県松戸市に残る古文書から明らかにする。年貢額や村の掟を定め、用水を巡る争いを調停し、領主に裁判を求めたり派遣された役人の罷免を要求するほどだった。制限的だが行政・立法・司法の各分野で、全て文書の作成とやり取りで実務が行われていた。つまり読み書きができねば村の運営に参加できず、無学文盲の百姓が武士に搾取されていたとのイメージを打ち砕く。たくましく生きる農民の姿こそ、日本史の教科書に掲載すべきだろう。2024/04/07
サトシ@朝練ファイト
20
舞台は現在の千葉県松戸市あたり、主人公は無名の百姓たちです。これが実に楽しい、読んでいて元気がもらえるようです。2022/02/06
ATSU
7
久しぶりに面白い本を読みました。江戸時代の村の仕組みを丁寧に説明してくれたのち,幸谷村という一つの村を例に,古文書を解説付きで載せながら,江戸時代の百姓たちの姿をみています。実は最近,江戸時代における私が住む地域での水を巡る古文書を見ました。(活字です。)そこには,A三ヶ村がM神社の近くで水をとれ高に応じて三方に流れるようにし,三ヶ村が管理していることが書かれていました。先輩からそれ以前は,A三ヶ村で水を巡って争っていたと聞きました。争っていたという古文書はたぶんみつかっていません。残念です。2022/02/04
たつや
6
タイトルに惹かれて、図書館で借りましたが、凄く面白かったです。千葉県に住む自分にとって、舞台の松戸市は大分離れてますが、同じ千葉県なので、親近感も覚え、また当時の農民の力強さが如実に分かる、勉強にもなり、スカッとする事もできた良い本でした。2024/06/15
コーリー
5
幸谷村酒井家文書を素材に、江戸時代の人口の約八割を占めていた、村に住む百姓たちに注目して書かれた本。これまで筆者が様々な著書で明らかにしてきた江戸時代の村や百姓について、平易に書かれており、分かりやすい。また内容に関わる文書の写真、翻刻、読み下し文、現代語訳が示されていて、古文書学習にも使うことも出来る。2021/09/14
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