内容説明
桃太郎、かちかち山、金太郎は今とはちょっと違っていた。昔の登場人物たちに会いに行こう!!関連資料多数掲載!
目次
桃太郎昔語
きんときおさなだち
兎大手柄
寺子短歌
資料編(桃太郎(巌谷小波)
キンタラウ(巌谷小波)
かちかち山(浜田広介)
浮世風呂(式亭三馬)二巻巻之上より
小野篁歌字尽)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
57
江戸中期に出版された絵入り本から、桃太郎、金太郎、かちかち山。先日行った江戸東京博物館をイメージしながら読んでみた。桃太郎の誕生シーンには、産婆がいる!手伝いの女たちがいる! 桃太郎は、宝を奪い取るために鬼ヶ島へ⁈ かちかち山では、狸に婆は汁にされ、知らずに食べた爺は、「この汁は婆臭い」 今見ると違和感を覚える表現も多々あるが、その当時、子ども達は、これらの本に熱狂したのだろう。そして、時代の流れとともに、昔話も変化してきたということか。2019/05/08
itokake
15
江戸時代の絵本4作品。表現の違いが興味深い。桃太郎では、動物がお供になると途端に和服に帯刀。服に着られてる、というか体型的にキジに和服はキツイ。兎大手柄(かちかち山)ではタヌキに殺された婆の骸骨が転がる。ウサギの擬人化がちょっと変。一か所「狐」とあるが、これはたぶん「兎」。『寺子短歌』は寺子屋の様子をいろはがるたで詠んだもの。師匠の留守に子供達は当然遊ぶが、遊びの内容は歌舞伎芝居。「振袖の少年」がいる(近世以前は男女ともに振袖を少年期に着ていた)。悪い子への罰は、段ボールサイズの手箱の上に正座。2023/04/15
遠い日
10
赤本。大学の演習で、かじりました。それにつけても思うのは、子どもには、「お話」が必要であるということ。時代を超えて、求められるものであるということ。2019/08/01
猫
8
図書館本。江戸時代の赤本(様々な内容を取り上げた絵本)の中から、現代でもメジャーな「桃太郎」「金太郎」「かちかち山」と「寺子短歌」というのを現代語訳して紹介。物語は一部抜粋かな?爺婆様が桃を食べて若返って桃太郎を出産、というのが衝撃だった。江戸時代はそのパターンがほとんどで、明治になると桃から生まれるパターンに変わっていったのだとか。2019/08/24
ネギっ子gen
7
「日本の子供が本を読むようになったのはいつ頃?」との疑問から、江戸中期の「草双紙」に注目。その中の「赤本」より4作品を取り上げ収録。これを見ると、今の漫画の興隆のルーツは、こういうところにあったかと。いや、そのずっと前に鳥獣戯画があったっけ。「寺子短歌」が面白かった。この頃には、もうどら焼きがあったか。今も江戸の昔も子どもや人情は変わらないですね。「桃太郎昔話」だが、桃太郎の誕生には桃から生まれる果生譚と桃を食べて若返った爺婆から生まれる回春譚があり、江戸時代はほとんど(この収録作もそう)回春譚とのこと。2019/10/10