内容説明
聖なるものを守り、邪なものを断つ結界。日本が育んだ陰陽道のこの呪術は、現代でもしっかりと生きている。京都、熊野、飛騨、三峰、東京都心…今も残る巨大結界は、いつ、誰の指示で、何のために張られたのか―。安倍晴明の血を継ぐ「水の家系」第27代陰陽師・安倍成道が解き明かす。
目次
序章 結界とは何か?
1章 晴明と結界
2章 関東地方の結界
3章 近畿地方の結界
4章 中部地方の結界
5章 北海道・東北地方の結界
終章 現代における結界の使われ方
著者等紹介
安倍成道[アベノナリミチ]
1981年、京都府生まれ。第27代陰陽師。15歳のときの「元服の儀」にて、第27代安倍成道成智を襲名。現在は、第26代である父のもとを離れ、都内で陰陽師として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よう
8
書かれている内容自体はとても興味深い。安倍晴明の家系が現代にも続いていて陰陽師としての仕事を今もされていることには驚くばかりだ。星の王子さまにあるように、大切なことは目に見えない、のかもしれないな。2018/08/30
ソウ
5
結界とか妖怪とか目に見えない話は「何か怪しいな、いかがわしいな」って感じがち。でも、事実かどうかとか科学的な正しさとかは重要ではないのかも。我々が知らないだけで、日々、非人間的なものや死者の世界と我々の世界とをつないだり、境界を守ったり、してくれてる人々は実際いらっしゃるんでしょうね。筆者のような陰陽師であったり、あるいは、修験道者・皇室で祭祀を行う方々・宗教者であったり。行為や祈りに科学的な説明をつけられなくても、実際に何らかの救いや慰めが生まれているんだろうなと感じた次第です。2018/09/20
skr-shower
3
安倍晴明が張った結界が1000年以上もっている!すごい話から始まっている。夢枕版陰陽師や”真夜中の公務員”をリアル世界で生きている方のお話。信じるかどうかは別として、陰陽師も修験者も寺も神社も町中の呪い師も皆が結界を張りなおしていたら、人の集まるところというのは独特の場が現われるのだなと感じた。2020/12/07
tama
2
安倍晴明の子孫の方が書いてるのだが、宗家の方ではないらしい。しかし、結界の作り方や資料の保存などの記述がやけに細かく、そのくせ、場所や人物の特定はお茶を濁すような形で書いてるので逆に真実味?があり、なかなかおもしろかった。今まで知っていた常識?とは少し違う歴史を垣間見ることができる。歴史はロマンなので信じる信じないは別としてこれくらいの新説もありかなと思う。ストーリー仕立てにして映画にしたらおもしろそう。2022/03/29
たくさん
2
とても楽しくて一気に読めた。語り手の意思に一貫性がありちょっと大掛かり過ぎるところ細かすぎるところもよくわからないけれど一理ありうる。結界についてどういうものかもわからないし、作って存在して動かされるとかまったく私には感じれない世界なので理解できないのが悔しい。最後の章の結界の使われ方の章が一番面白かった。自作も期待。2019/01/24
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- 和書
- 記憶の囁聲