出版社内容情報
写真家として初めて文化勲章を受章。
生涯現役を貫き、昨年93歳で逝去した写真家が半世紀を越えて写し続けたライフワーク。
写真家として初めて文化勲章を受章。生涯現役を貫き、昨年2022年に93歳で逝去された写真家・田沼武能氏。ライフワークでもあった武蔵野の作品群は、現在の東京都西部をはじめ、北は埼玉県、南は神奈川県の北東部まで、古くは武蔵の国と呼ばれた地域を対象に、1964 年から2022 年までのおよそ半世紀を越えて撮影されたものです。田沼氏のこころのふるさとともいえる武蔵野の四季折々の風景は、時代の流れと共に激しく変貌しましたが、残された原風景とそこに生きる人びとの姿を描きとりました。
「……私はそんな四季折々の武蔵野で生きる人びとと暮らしを写真に収め続けています。そこにはコンピューター万能の時代風潮から離れた昔ながらに連綿と続く人のこころのつながりがあります。厳しい農作業、そして収穫の後の祭りや祝い事など、私が訪れるたびに、まるで「ふるさと」に帰るような安らぎを与えてくれるのが武蔵野です。」
(本書・序文「安らぎ与える武蔵野」より抜粋)
内容説明
武蔵野に失われた時をもとめて。太古の広大な原野は、農耕畜養で田畑草原となり、近世の農地開拓と現代の宅地開発で市街景観へと。
目次
安らぎ与える武蔵野
変わりゆく武蔵野に昔を求めて
写真篇(芽吹きをまつ(12月~2月)
あふれるいのち(3月~5月)
かがやく夏の陽(6月~8月)
さわやかな風(9月~11月))
資料篇(大陸より見たる武蔵野;荒野から東京時代へ;武蔵野の統治)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaz
1
東京近郊でこのようなのどかな風景が残っているというのが嬉しい。図書館の内容紹介は『元旦の多摩川清流、雑木林で遊ぶ子ら、春の田園風景、龍神の雨乞い行事、ススキなびく名栗川、樹齢数百年の西善寺のカエデ…。武蔵野で生きる人びとと暮らし、自然を収めた写真集』。 2024/02/03
Jimmy
1
釣りに行きたくなる本として読んでみた。武蔵野って素朴な感じがするんだなあ。2023/09/27
pontering
1
武蔵野の美は雑木林と赤土と清流で、素朴なところにある、という理解を再認識させてくれる。武蔵野育ちとしてはかなりいい写真集だと感じた。2023/07/05