出版社内容情報
1989年刊行の『普通の人』(JICC出版局)、1993年刊行の『平成版 普通の人』(南風社)に
これまで書籍未収録だった雑誌読切の「最初の普通の人」を加えた完全版として堂々復刊!
日常スペクタクル巨編
古今東西、老若男女。時代は変われど、人は変わらず。
稀代のイラストレーター・安西水丸が贈る普通の人のおかしな日常記。
円満家庭の主人。軽薄な会社員。眠る女とミステリ作家。かわいい名前の妻を持つ養豚家。
毒づく全身ブランド男。育児不和の夫婦。過大な自己評価の編集者。愛の不在に揺れる女。刀剣で鍛える親父の娘―ほか。
鋭い観察眼(ナイフ)が切り取るフツーの光景。
そう、これは今を生きる、私やあなたのお話です。
解説:村上春樹 『普通の人を褒める』(1993年南風社『平成版 普通の人』解説を再録)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キク
68
村上春樹と安西水丸は、30年以上読み続けている。あまり大きな声ではいえないけど、村上春樹の作家性についてはある程度理解できていると思う。すいません、ある程度です。石は投げないでください。でも同じように読み続けているのに、安西水丸については「僕はまるでわかっていない」と自信を持って大声でいえる。飄々とした作風と人柄に見える。だけど、絶対にそれだけじゃない。でもそれが何かが掴めない。ここまで掴めない作家ってなかなかいない。水丸さんが描く「朝から始まる普通の人の普通ではない日常」50編。面白くて、ちょっとコワイ2022/11/13
Vakira
41
僕の大好きなイラストレーター、安西水丸さんの描く漫画。前に読んだのは純文学的漫画でなかなか感動しました。で、また感動求めて購入してしまう。これは!!!日常スペクタル巨編! ふ、普通なのか?普通じゃないじゃん。いやいや、自分から見れば他人は普通じゃないんです。ということで他人になれば普通なんです。普通ですから、普通に夫婦の営みがあります。あらあ、普通に夫婦でなくたって男女の営みもあるのね。ていうか、普通って営みばっかじゃん。って事で普通が好きな君、君、楽しめますぞ。今回の収穫、解説はあの春さんが書いてます。2023/06/29
aloha0307
29
村上春樹さん推薦の本書(あとがき も寄せています)📕 50編の普通の人の普通の生活…盛り上がる場面は皆無なのだが、そこに独特無二の味わいがある🌸 物語はすべて朝の風景でスタート🌄 目覚め、むにゃむにゃと起き上がる〜春樹さん曰く、朝目覚めたばかりの人々は、虫になりかけてなりきれなかったカフカの"変身"の主人公なんだそうです🖌️ 2022/02/20
みき
25
村上春樹さんの書評で絶賛されていたので購入。 やはり感性が違うのか自分にはあまり理解できず。 年代によって普通という概念は違うんだろうけど、これは普通なのか?と思うことが多かった。普通とは何なのかとかを考えずに読み進めるのが正解なんだろうけど。 2021/12/12
geromichi
4
普通が普通じゃない、奇妙な人たちの朝の光景2022/02/18