内容説明
薩長が家康の再来と恐れた男、徳川慶喜が夢見た「もう一つの明治維新」とは!?
目次
第1章 維新の先駆者徳川慶喜
第2章 日米和親条約を容認した徳川斉昭
第3章 通商条約の違勅調印
第4章 吹き荒れる攘夷の嵐
第5章 慶喜が条約勅許を得る
第6章 イギリスが薩長を支援
第7章 徳川慶喜の決意
第8章 大政奉還の思想
終章 万民平等の実現
著者等紹介
鈴木荘一[スズキソウイチ]
近代史研究家。昭和23年生まれ。昭和46年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。とくに企業審査、経済・産業調査に詳しく、今も的確な分析力には定評がある。平成13年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、現在は「幕末史を見直す会」代表として、現代政治経済と歴史の融合的な研究や執筆活動などを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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九曜紋
8
そもそもの日本史についての知識不足、特に明治維新については不勉強だったこともあり、読了。尊皇攘夷派イコール善・佐幕派イコール悪、という単純な図式ではとても捉えきれない経緯があったことを知る。とかく英雄視される坂本龍馬にしても西郷隆盛にしても、高杉晋作にしても、かなり腹黒い人物で、そんなに清廉潔白な憂国の士という訳ではなかったようだ。対するに最後の将軍・一橋慶喜のほうがむしろ国を憂い、身を賭して外国の脅威からこの国を護ったようだ。やはり歴史というものは勝者の立場から記述されるものだ、ということがよく分かる。2023/12/13
ハッピー
2
教科書で習い、司馬史観に完全に洗脳されていた。慶喜はすぐ投げ出して、味方を置き去りにして敵前逃亡をした人物と思わされていた。イギリスの密輸の手助けをしたのが坂本龍馬で、薩長共に自分の益になることに汲々としていた。西郷隆盛もテロを陰謀したり、その手下を切り捨てたり、なかなかの悪だったのだと、見方を変えると大きく変わるものだと思った2024/01/05