内容説明
どんなに奇妙に見えていても、調べてみれば、そこには生きる「りくつ」が通っているものです。つまり、いきものたちは皆、自分なりのやり方で合理的なのです。このことを押さえれば、私たちは、上から目線でなく、同じ地球をシェアする同輩としていきものと接することができるはず。(…)そして私たちがどんないきものか、手がかりが得られると思うのです。世界の動物行動学者たちの最新研究を紹介しながら綴る、81編のほがらかエッセイ。写真やイラストも満載!
目次
食うか、食われるか
オスメスってなんだろう?
これも一つのプロポーズ
それでもみんなと暮らしたい
相手や道具を利用する
からだのつくりには意味がある
実は、いろいろ考えてます
ケンカに勝つ!
人新世のいきものたち
時に交尾は命がけ
奇想天外ないきものたち
著者等紹介
中田兼介[ナカタケンスケ]
1967年大阪生まれ。京都女子大学教授。専門は動物(主にクモ)の行動学や生態学で、目に見える現象を扱うことにこだわるローテク研究者。ヒトの中では、社会性が低めでシャイ臆病な個性を持ち、形態的特徴としてはやや頭部が大きい。また、田畑で作物を育て、冬には薪ストーブで温まるという習性を持つ。現在、日本動物行動学会発行の国際学術誌『Journal of Ethology』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
51
いきものの生態は、興味が尽きない。今、生き残っているものの形も含め、どうやって、今の生態にたどり着いたのだろうと考えると、想像が広がる。適者生存と言ってしまうと、それまで。しかし、いろいろなことを研究する人がいるものだなあ~と、違う楽しさもある。このあと、生物(動植物)は、どんな変化をしていくのだろうか。2023/07/21
トムトム
28
面白かった!先生!シリーズもそうですが、実体験や感覚、自分がどう思ったかなどの情報がある方が面白く読めます。テレビやネットの画像の、2次元で見るだけの情報なんか価値がありません。感じたことを文章でイキイキと伝える能力。私達は言語で感じ会える種族。読んだだけで自分が体験したかのように思える本。紙の本の文化が、廃れないようにと願うのみです。2022/11/23
えも
24
動物行動学者のエッセイ81編。「誰々さんの研究では」と出典を明記し、QRコードで典拠論文にリンクしているところに、真摯な学者魂を感じます。さすれば「もえる」とした理由も、萌えるばかりでなく、燃える気持ちもあるからでしょう。2023/04/02
エル
7
面白かった!人間には理解しがたい他の生き物の理屈。どうしてそうなった?までには言及されていないけど、知らない生き物の面白い生態を知るのは面白い。2022/10/16
むにむに
2
ひさしぶりに自然科学系のポピュラーサイエンス本。一話一話短いのでサクッと読めてしまう。もうすこし読み応えがあるものにも改めて挑戦したい。2022/11/04