内容説明
時代劇研究家が京都・滋賀の41カ所を実際に巡り、うなり、歓喜し、記した文と写真。
目次
序章 なぜ京都なのか?
初日(二〇二〇年五月二十六日)下鴨神社→上賀茂神社→青蓮院→南禅寺→伏見稲荷大社→中ノ島橋(嵐山)
二日目(二〇二〇年六月十一日)流れ橋→長岡天満宮(錦水亭)→光明寺→大映通り→仁和寺
三日目(二〇二〇年六月十二日)等持院→大河内山荘庭園→二尊院→落合
四日目(二〇二〇年七月二日)大覚寺→広沢池→清凉寺→神護寺
五日目(二〇二〇年七月三日)妙心寺→今宮神社(参道のみ)→東福寺
六日目(二〇二〇年七月四日)梅宮大社
七日目(二〇二〇年八月二十六日)くろ谷 金戒光明寺→新日吉神宮→松本酒造(伏見)→宇治橘橋
八日目(二〇二〇年十月十二日)隨心院→日吉大社→西教寺
九日目(二〇二〇年十月十三日)彦根城→西の湖(舟下り)→八幡堀→西の湖(陸側)
十日目(二〇二〇年十月十九日)今宮神社→谷山林道→沢ノ池
十一日目(二〇二〇年十二月二日)美山→摩気
十二日目(二〇二〇年一二月三日)広沢池→中之島の中州→西寿寺→化野念仏寺→東映太秦映画村→車折神社
著者等紹介
春日太一[カスガタイチ]
映画史・時代劇研究家。1977年東京都生まれ。日本大学大学院博士後期課程修了。映画界を彩った俳優とスタッフたちのインタビューをライフワークにしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei-zu
23
京都は何度か訪れているが、時代劇にうとい私にロケ地という視点はなかった。本書は、時代劇研究家の著者による京都のロケ地探訪記。 コロナ禍の折、観光客の不在が紹介を可能にした場所もあるという。何が幸いになるかわかりませんな。 ページをめくると、また京都に行きたくなります。表紙の「流れ橋」は、是非訪れてみたい。2021/12/03
えぬしもわるよのぉ
14
劇中の土地の設定に関係なく時代劇のロケ地は京都とその周辺が多いと聞いていたが、こうして地図で示しながら並べられると、本当に案外に狭い地域内で撮影されていたことに驚く。 そんなにたくさん時代劇を観ているほうではないが、父のつきあいで中村吉右衛門版『鬼平犯科帳』はほとんど観ているので、見覚えのあるロケーションがいくつもあって興味深かった。こんなのいったいどこで撮ったんだろうという景色の数々が、なるほどそういう場所があるのかと感心することしきり。2022/04/22
グラコロ
14
とてもマニアックで面白い企画だけにちょっとイチャモン。せっかくの聖地なのに白黒写真が多い。長岡京女の誇りである粟生の光明寺の石段や長岡天満宮の錦水亭もモノクロでチェッ。鬼平犯科帳のエンディングの撮影場所の特定もファンには嬉しいが、そもそもテレビや映画の実際の映像の写真があればもっと楽しい本になりそうだけど、予算オーバー?2022/02/28
onakagayowayowa
5
京都方面に行きたくなる。時代劇が好きなので、食い入るように眺めて読んだ。2022/04/29
田中峰和
5
アニメは聖地巡礼が話題になるが、時代劇では撮影場所を訪れようとするほどファン層がいない。そもそもテレビや映画でも時代劇は激減し、本書に取り上げられる聖地も60~90年代当たりの作品ばかり。それでも、中年以上の年配にとっては懐かしい作品とともにその撮影場所が確認できて楽しめた。木津川にかかる上津屋橋は流れ橋とも呼ばれ、何年かに一度は洪水で流される。かといって頑丈なものに作り替えないのがいい。著者が橋の上を歩く姿は、木造ならではの情緒がある。見どころの聖地では著者自ら被写体となり、臨場感を醸し出している。2021/08/14