出版社内容情報
死の影に脅かされながら、沖縄や日本や世界の運命を憂い、去来する想念が四行の「詞章」の形で日誌のように綴られてゆく。薔薇は傷を負いつつも誇り高く歌う。
死の影に脅かされ、心臓疾患をくぐり、老いをひしひしと感じながら、沖縄や日本や世界の運命を憂い、去来する想念が四行の「詞章」の形で日誌のように綴られてゆく。日課のエスプレッソを賞味し、ふと浮かんだドイツ語を口にし、かつて訪れたヴェネチアをはるかに偲び、世間と自分を辛辣に観察し……詩人のくつろいだ独白の連綿たる流れのあちこちに形而上学に通じる詩の欠片、真摯で犀利なアフォリズムが強く光る。
沖縄を推理小説にたとえる次の詞章は非常に鋭利だ。
「客観的な記録として
歴史書に納まっているオキナワ。
かわいそうに
沖縄は誰にも書かれなかった推理小説である。」
歌人である著者が五七五七七の枠を出て自由奔放に綴った四行寸鉄。
(目次に当たるものはなし)
新城 貞夫[シンジョウ サダオ]
著・文・その他
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- 和書
- 茶の湯と音楽