内容説明
「神がかり」「憑く」などの言葉で表される心身状態である憑依は、近代日本では豊かな宗教的・儀礼的意味を剥ぎ取られ、狂気や精神異常として生活世界から駆逐された。憑依が統制・弾圧の対象になっていく歴史的な変容をたどり、その文化的・社会的な抗争の内実に迫る。
目次
第1章 近代日本における憑依の系譜とポリティクス
第2章 歴史の記述と憑依―飯降伊蔵の「おさしづ」と親神共同体をめぐって
第3章 明治期日本の知識人と神智学
第4章 憑依が精神病にされるとき―人格変換・宗教弾圧・精神鑑定
第5章 巫者の平和学―沖縄の霊的感受性と「死をふまえた平和の知」
第6章 憑依を肯定する社会―沖縄の精神医療史とシャーマニズム
第7章 憑依と演劇―メディアの向こうの「なまなましい」身体をめぐって
著者等紹介
川村邦光[カワムラクニミツ]
1950年、福島県生まれ。大阪大学大学院文学研究科教員。専攻は宗教学、近代文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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