目次
第1章 地域は「自然」から考えればいい
第2章 生きものに教えられること
第3章 地域で「働く」ということ
第4章 地域創生の根本は人口問題
第5章 見方しだいですべては変わる
第6章 徒然なるままに社会について考えた
第7章 私にとって地域とは鎌倉
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
解剖学者。東京大学名誉教授。大正大学客員教授。医学博士。1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。95年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。北里大学教授を経て現職。89年、『からだの見方』(筑摩書房)でサントリー学芸賞受賞。2003年、毎日出版文化賞特別賞を受賞した『バカの壁』(新潮新書)は450万部を超えるベストセラーに。大の虫好きとして知られ、箱根にある別荘「養老昆虫館」(藤森照信設計)で標本を作成している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
50
面白い。やっぱり、養老先生の思考は、フムフム、なるほど・・・そうですよね・・となる。自分自身が、上手く言語化できないところを、養老節で描いてもらっているような気分。多数派ではなく、そこから少し離れたところにいる立ち位置・視点。どうしても、今の世の中は短期志向であり、二項対立であると思っている。そうではない部分も多いと思うし、そういう時間を持ちたいとも思う。「地方」は「ちほう」ではなく「じかた」というのが興味深い。2025/02/23
スリカータ
12
養老孟司先生、お父様は東大卒の商社マン、お母様は医師。遺伝子的に優秀。さて、本書は寄せ集めのエッセイ集をテーマ別に編纂したもの。とっ散らかった印象はあるが、養老先生の飽くなき虫愛は一貫している。印象に残った点は、過疎といわれる鳥取県と島根県は欧州と同じ人口密度で、そもそも日本が過密だという。少子化をマイナスイメージに囚われ過ぎていたのかも。2025/02/17
わらわら
9
昨今自治会の役員をやった。人間の繋がりは置いておくが地域を知るが楽しかった。この地に住んで30年以上経っている、40年ほど前にできた新興住宅なので歴史はないが40年も住んでいるのに知らないことが多々あるのにびっくりした。公園の清掃では「虫」の発見を子供らと探した。この本に書かれている地域と書かれていることとは意図が違うかもしれないが「地域」とは自分にとって大事なことだと思う。「40年ほどしか住ん位ない若造が」と大昔から住んでいる生き物たちが物申しているような気ががする。「共に生きよう」と思う。2025/04/19
さちめりー
3
文章のひとつが2ページ半ほどのエッセイなのでちまちま読むのに向いている。「人の世界、世間に実在感を抱かない」養老先生。それでもこの世間の私たちにこうして考えを伝えてくれている。亡くなった猫のまるの感触を想像し、寂しいと同時に気持ちがいいと感じ血圧が下がる先生。ものさしが全くひとつもない状態では宙を漂うクラゲのようにおぼつかず不安な気持ちになるが、養老先生というものさしが自分の中にひとつあると安心して力強く歩いていける。こうしてたくさん本を出してくれる先生の私たちへの思いやりを感じる。2025/04/09
ことり
3
地域の話も養老先生にかかると虫の話となる。羽のない小さな虫は地域によって違うという。本来、人も地域によって体や考え方が多様だったのかも知れない。虫好きからの地域の見方。また新しい視点を得た。2025/02/11