内容説明
タクシー小説集第二弾!運転手と乗客との一期一会の出会いから町を描く。タクシー物語短編12話。
著者等紹介
広小路尚祈[ヒロコウジナオキ]
1972年、愛知県岡崎市に生まれる。高校卒業後、ホテル従業員、清掃作業員、タクシー運転手、不動産業、消費者金融など、10種類以上の職種を経験する。2007年、「だだだな町、ぐぐぐなおれ」が第50回群像新人文学賞優秀作に選ばれた。2010年、「うちに帰ろう」が第143回芥川賞候補、2011年、「まちなか」が第146回芥川賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シャコタンブルー
61
タクシードライバーの視点で語る12話の短編集。東海、中部、北陸、近畿の12の観光名所が出てくるが、幸運にも全て旅行した場所なので懐かしくもあり楽しく読めた。「お伊勢さんと鳥羽さん」伊勢うどんを食した時の微妙な味を思い出した。確かに人にお勧めするには躊躇する(笑) 「建築女子の夏休み」金沢ではドブのことをどぶすという。来月、金沢に旅行する予定なので現地の人に聞いてみよう(笑)12話とも同じようなテンションでやや単調になってしまったのが残念。もっと個性的なドライバーや嫌悪感ある乗客等が登場人物にいれば・・2024/08/21
日の丸タック
28
ちょっと有名な観光地を紹介したような、それでいてプチヒューマンな味付けのストーリー。 特別ではないけれど、ちょっとタクシーの営業からははみ出たような。 地元愛が強かったり、個人的な独立であったり。タクシー運転手って当たり前のようで当たり前でないような…不特定多数の様々な背景の人々と特殊な環境で関わる職種。そしてそこには様々なドラマがある。2024/10/14
あっちゃん
21
タクシーの運転手さんを主役にした話あれこれ(笑)正直、タクシーとは縁が遠く逆に新鮮!いつの日か観光地に旅行に行く時があったらタクシーの運転手さんと話してみるのも楽しいかも( ̄ー ̄)2024/09/27
onasu
18
主には中部地方、各地のタクシー運転手さんを主人公にした12話。当然、お客さんを乗せてのあれこれがメインで、著者にも職歴があると知れればリアリティも感じられる。 前半は知見のない設定も何話か読むと馴れてくるが、中盤からは運転手さんの来歴も語られるようになり、話しの幅が拡がるのがいい味変。 舞台が主に中部地方なのは著者の属性によるものか。知っている地域が出てくると風景が浮かぶのも、いいおまけでした。2024/09/24
tetsubun1000mg
17
始めて読む作家さんだったが、以外といっては失礼だが面白かった。 中部周辺の土地での年齢、経験、性別などいろんな設定のタクシー運転手と、年齢も目的も様々な乗車客のふれあいを描く短編集といった感じ。 どの運転手も貸し切り予約や走行中に乗せたお客もどのようなルートや施設、店などに満足してもらうか一生懸命に考えて案内しているのが伝わってくる。 巻末の著者紹介を見ると高校卒業後に10種くらいの職業を経験していて、タクシー運転手も務めていたらしい。 平易な文章で読みやすいのだが、芥川賞に2回ノミネートされていた。 2024/11/01