感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
95
上野、札幌間を寝台特急北斗星に乗って旅する人々の短編集、月1週末に往復するサラリーマンや北海道から東京に住む娘の結婚式の為上京する夫婦、就職のため上京する男性、名古屋から新婚旅行で北斗星に乗る夫婦、団地の仲良しおばさん達が夫を置いての旅行、亡くなった妻の法事のため息子と北海道へ行く父、早期退職したおじさんの一人旅、酪農家の跡取りが東京で暮らす幼馴染みに会いに行く、16時間の長旅の間に自分と向き合いそれまでの人生に思いをはせる人々それぞれの事情と思いを乗せて走る北斗星に乗ってみたかった。2022/02/08
あつひめ
36
もう一度北斗星に乗ってみたかった。往路のドキドキとびくびくした気持ち、復路のちょっとだけ勇気が出て個室から出た時の気持ちを思い出した。もっと何度も味わいたかった。同じ車両で乗り合わせたも縁なのだろう。実際の旅ではそこまで心の余裕がなかった。なんともったいないことをしたのだろうと悔やまれる。北斗星は移動車両だけではなく心も運ぶ素敵な乗り物だった。何度も札駅で見かけ旅に出る人を見かけた。この物語のように様々な事情を持ちながら発車を待っていたのだろうな。もう乗ることができない北斗星の旅を楽しませてもらった。2022/12/13
遙
19
今はもう乗ることのできない北斗星で旅をする人々の8つの短編集。 都会の人がそこまでの旅で札幌をより好きになってくれると嬉しいし、 札幌を離れてより、札幌が恋しくなったと聞いても嬉しい。 これが故郷に対する愛情なのかなとしみじみ感じながら読みました。 北斗星の食堂車[グランシャリオ] 一度体験してみたかったです。 寝台車も憧れます。様々な境遇ながら、その場所を心から楽しんでいる登場人物達が羨ましかったです。 寝台列車の長い旅は、静かに物思いに耽る時間。人生の中で、それはとても貴重なのではないでしょうか。2023/04/02
さく
18
短編集。この表紙の絵を描いている鈴木周作さん、今息子がハマってる絵本「ゆきかきでんしゃ」の作家さんだった。そして、何気なく鈴木周作さんについて検索したら、『「北斗星」乗車456回の記録』というとんでもない本も出してた。456回…!北斗星マニアだったのですね!2022/12/14
tetsubun1000mg
14
2度芥川賞候補になったらしいが初めて読む作家さん。 東京の上野駅発札幌行きの寝台特急「北斗星」に乗る人たちを描いた連作集。 netによると2015年で運航を終えた豪華寝台列車だったようだ。 若手サラリーマンから自営酪農家などさまざまな人物が登場する。 若いころ九州から東京駅行きの寝台特急「はやぶさ」に乗ったことを思い出した。 のちに新幹線になり、飛行機に乗るようになったのだが時間さえあれば早ければいいとわけではなく、寝台特急に乗ったことのほうが記憶に残っている。 作品では最後の酪農家の章が好み。2022/05/07