感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kan
23
非常に面白かった。寺田寅彦の、物理現象の見え方・とらえ方の先見性がよくわかった。以前読んだ岩波科学ライブラリー「英語で楽しむ寺田寅彦」は、「藤の実」や「エレベーター」など、自然現象に留まらない社会現象との類似性の考察や統計学的切り口が興味深かったが、本書は日本独自の線香花火と金平糖に焦点を当て、随筆を楽しみつつ、一様状態の不安定化、カオス、フラクタルが解説され学びになった。「西洋の学者の掘り散らした跡へ遙々後ればせに鉱石の欠けらを捜しに行くもいいが、吾々の脚元に埋もれて居る宝をも忘れてはならない」は金言。2025/01/06
furoyomi
1
読書で得た知識によって、物事の見え方が一変することや、全く異なる物事が繋がる瞬間とかありますよね。 それこそが読書のおもしろさの一つだと思うのですが『寺田寅彦「線香花火」「金米糖」を読む』は、正にそういった”気づき”に導いてくれる本でした。
shuzok
1
寺田寅彦の線香花火/金平糖のエッセイを解説。そこでの寺田の問いかけには後続の研究があり,その著者のエッセイが収録されていてかなり興味深かったです。寺田寅彦の問題意識がちゃんと現代に引き継がれていることを知ることができました。寺田寅彦のエッセイは先見の明がある示唆に富むものである一方で尻切れになっていて満足感に欠けることが多いため,本書のような現代的な視点で捉え直す試みは非常に素晴らしく価値のあるものだと思います。2023/08/20