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心理療法論 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 159p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622085478
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C1011

出版社内容情報

〈心理療法とは何か〉を広い視野で語る、とくに重要な基本的6論文。ユングの独創的な洞察の原点を知るために最適の書。人間の心についてのユングの独創的な洞察は、精神科医ないし心理療法家としての実践の中から生み出された。心理療法は生身の人間に全体として関わるものであり、療法家と依頼者とが全人格をかけて関わり合う作業である。そこでは療法家の人格全体が問われることにならざるをえず、ユングのいう療法家の「世界観」が試されることになる。

本書は、心理療法上の基本的な問題についてユングが論じたものの中から、とくに重要な6論文を訳者が選んで一書としたものである。狭い意味での心理療法に限らず、世界観や倫理的な問題、また政治と心理療法の関係などのテーマにも目配りがなされている。なぜ夢に注目するのか、フロイトやアードラーとの違い、若い療法家へのアドバイス。これは「心理療法とは何か」を広い視野で、ユング自らが語ったものなのである。ユングの心理療法の原点を知るのに最適の書といえよう。
[1989年2月初版]


1 臨床的心理療法の基本
2 心理療法の目標
3 心理療法と世界観
4 心理学から見た両親
5 分析心理学における善と悪
6 ナチズムと心理療法

訳注
編訳者あとがき

C・G・ユング[ユング ]
1875年7月26日、スイス北部のケスヴィルにて生まれる。バーゼル大学卒業後、ブルクヘルツリ病院のブロイラーのもとで言語連想実験の研究に従事。その後、フロイトの精神分析運動に参加し、フロイトの後継者と目されるほど、その中心人物として精力的に活動した。1913年にフロイトと決別。その後は独自の心理学の構築に専心し、「コンプレクス」「元型」「集合的無意識」「無意識の補償機能」「内向/外向」「個性化」などの独創的な理論を提唱していった。1961年6月6日、死去。20世紀最大の心理学者の一人。

林道義[ハヤシミチヨシ]
1937年長野県に生れる。1962年東京大学法学部卒業。1968年同大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。元東京女子大学教授。著書『ユング』(清水書院、1980)『ユング心理学の応用』(みすず書房、1988)『ユングの心理学と日本神話』(名著刊行会、1995)『父性の復権』(中公新書、1996)『主婦の復権』(講談社、1998)『図説ユング』(河出書房新社、1998)『ユング思想の真髄』(朝日新聞社、1998)『フェミニズムの害毒』(草思社、1999)『母性の復権』(中公新書、1999)『母性崩壊』(PHP研究所、1999)『ユング心理学入門 I-III』(PHP研究所、2000)『家族破壊』(徳間書店、2000)ほか。訳書 ウェーバー『政治論集』1(共訳、1982)ユング『タイプ論』(1987)『ヨブへの答え』(1988)『心理療法論』(1989)『個性化とマンダラ』(1991)『連想実験』(1993)『転移の心理学』(共訳、1994、以上みすず書房)『元型論』増補・改訂版(1999)ノイマン『意識の起源史』(全2巻、1984-85、以上紀伊國屋書店)。

内容説明

本書は、心理療法上の基本的な問題についてユングが論じたものの中から、とくに重要な6論文を訳者が選んで一書としたものである。狭い意味での心理療法に限らず、世界観や倫理的な問題、また政治と心理療法の関係などのテーマにも目配りがなされている。なぜ夢に注目するのか、フロイトやアードラーとの違い、若い療法家へのアドバイス。これは「心理療法とは何か」を広い視野で、ユング自らが語ったものなのである。ユングの心理療法の原点を知るのに最適の書といえよう。

目次

1 臨床的心理療法の基本
2 心理療法の目標
3 心理療法と世界観
4 心理学から見た良心
5 分析心理学における善と悪
6 ナチズムと心理療法

著者等紹介

ユング,C.G.[ユング,C.G.] [Jung,Carl Gustav]
1875‐1961。スイスのケスヴィルに牧師の子として生れる。バーゼル大学医学部卒業後、チューリッヒ大学の神経科でブロイラーの指導を受ける。フランスに留学しジャネの下で研究、帰国後、連想実験による研究を発表し有名になる。1907年フロイトと知り合い、精神分析学の発展に寄与するが、1913年に訣別、独自の分析心理学を創始する。精神病、夢、神話などの研究を通じて無意識の構造を明らかにする。後にイメージやシンボルの研究によって人間の宗教性の問題を深く追求する

林道義[ハヤシミチヨシ]
1937年長野県に生れる。1962年東京大学法学部卒業。1968年同大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。元東京女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

3
当時の主な心理学理論が批判し合う理由を、著者は心の複雑さを説明可能な理論で制限するためと捉える。心は個と普遍の相反する面があり、心因性ノイローゼでは個人主義者と集団主義者に同じ治療ができず、重い神経症では若年層と老年層で効果も異なる。また、分析医のコンプレックスも患者に影響するので、分析医は患者の自己認識を共に体験する者となる必要もある。本書は、心理療法を弁証法的過程と捉え、理論で説明不能な普遍的レベルを集合的無意識と元型と仮説して心を象徴的に解釈する、という分析医が持つべき世界観から療法論を提起する。2021/06/21

Masakazu Shimamura

0
ユンギアンとの対話の必要性に迫られ読了。ユングの柔らかな語りと思慮深さが感じられる論文集。同時代に生きたフロイト、アドラーに気を使いながらも、ドラスティックに独自の心理療法を確立していく姿が思い浮かび、ユングの生きた匂いがそこに漂う。2017/04/10

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