内容説明
1931年に満洲事変を引き起こした関東軍は、政府の不拡大方針をことごとく突破し、その独断的行動によって満洲国を承認させ、満洲における駐兵権と軍事行動の自由を確立していく。だが、戦前日本において現地軍が「独断的行動」をとっていくのは、単なる「統帥権独立」の結果ではない。外地・満洲における駐兵問題の解決が統帥権の問題と密接に絡み合って登場したとき、それは引き起こされたのである。本書は、満洲現地において統帥権が「独立」するメカニズムと同時に、関東軍そのものの構造だけではなく、現地軍と提携相手との関係にも注目して、近代日本の政軍関係研究に新しい視角を切り拓く。
目次
序章 現地軍と軍事行動の自由をめぐって
第1章 関東都督府の設立
第2章 日中陸軍共同防敵軍事協定の締結
第3章 関東軍の独立
第4章 日中陸軍共同防敵軍事協定の廃止と北満駐兵問題
第5章 ワシントン会議と在中国外国駐屯軍問題
第6章 治安維持と関東軍
第7章 独立政権樹立論の登場と張作霖爆殺事件
第8章 柳条湖事件の勃発
第9章 日満議定書と日満守勢軍事協定の締結
終章 関東軍・提携相手・統帥権独立―関東軍満洲駐兵問題の歴史的意味
著者等紹介
後藤啓倫[ゴトウヒロミチ]
星槎道都大学社会福祉学部専任講師。博士(法学)。2002年、久留米大学法学部卒業。2004年、久留米大学大学院比較文化研究科前期博士課程修了。2008年、九州大学大学院法学府修士課程修了。2013年、九州大学大学院法学府博士後期課程単位取得退学。九州大学大学院法学研究院助教などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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