内容説明
この“日本”というクニの近現代史において、東北は「白河以北/山百文」と呼ばれ、“後進地”として置かれ続け、気づかぬまま・気づかれぬまま“植民地”として生きてきた。しかし同時に、そこからの脱却路として地域の軍事化や海外侵略の尖兵の機能も果してきた。本書は、その厳しい歴史を踏まえつつ、東北は“いかに後進か”ではなく、“いかにして後進か”を問い、このクニの“最後尾”からあえて新しい歴史の地平を切り拓く方向を考える。この“始点”に立ったとき、このクニの総体は大きく生まれ変わるだろう。
目次
序章 東北史とはなにか
第1章 戊辰戦争・明治維新と東北
第2章 全体史として東北史を考える
第3章 東北凶作・飢饉と資本主義・帝国主義
第4章 東北の軍事基地
第5章 東北の戦後意識
第6章 東北とレッド・パージ
第7章 東北自由民権研究の世界
第8章 大学闘争の中の東北
終章 東北史の“始点”
著者等紹介
河西英通[カワニシヒデミチ]
1953年生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学、博士(文学)。現在、広島大学名誉教授、広島大学森戸国際高等教育学院特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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