内容説明
名人・三遊亭円朝は幕末に生まれ、文明開化の時代に生きつつ、「怪談牡丹燈篭」「真景累ケ淵」など現代でも高座でかけられている著名な噺を数多く創作した。当時の観客に絶大な人気を博した様々な噺の内容と彼の人生・思想を解析することにより、当時の民衆世界に分け入ってその心性を明らかにしていく。これまでの国文学・演芸論とは全く違う歴史学(民衆史)から怪談・人情話をとらえ直す。
目次
第1部 歴史学の素材としての三遊亭円朝(個人史・言語論的転回・主体;天保生まれの三遊亭円朝―描かれた人生)
第2部 文明開化という状況と民衆芸能(文明開化という状況(構造)とAIEフィールドとしての寄席
文明開化期の寄席と芸人)
第3部 作品解析(「真景累ケ淵」;「怪談牡丹燈篭」;「塩原多助一代記」;「文七元結」)
第4部 記憶の近代(暴力の記憶;江戸―町の記憶;差別の記憶;北関東の記憶)
著者等紹介
須田努[スダツトム]
1959年生まれ、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、明治大学情報コミュニケーション学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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