出版社内容情報
インテリアをたのしむ喫茶空間
居心地のいい喫茶店には、インテリアや建築へのこだわり、そして長い時間をかけて作られた独特の味わいがある。喫茶店の黄金期といわれた高度経済成長期、個人経営の喫茶店は、それぞれの個性を生かし、独特な内装を作り出した。本書は、これまで正面からとりあげられてこなかった、昭和の喫茶店・洋食店のインテリア・建築的魅力について、記録し伝える写真集。BMCの5人が、開店時のインテリアとスピリットを今も保っている喫茶店・洋食店の店主をたずね、歴史と人がつくる味わい、空間としてのよさを考える。大阪府・京都・和歌山・兵庫の老舗店から、知られざる名店まで、33店の物語を紹介。
目次
大阪(喫茶バイパス;純喫茶スワン京橋店 ほか)
京都(六曜社珈琲店;ティールーム扉 ほか)
和歌山(純喫茶浜;カフェぼへみあん ほか)
兵庫(セリナ;手柄ポート ほか)
著者等紹介
西岡潔[ニシオカキヨシ]
1976年大阪府生まれ。写真家。日々「場と間」をテーマに、日本各地を飛び回りながら作品制作にあたっている。奈良県東吉野村に住まいを移し、東京と奈良の2拠点で土地と深く関わって制作を続けている。空間探索ユニット「fernich」にも所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
73
関西の趣のある純喫茶33店舗(内7店舗は入ったこと有り)が紹介されています。是非一度は入ってみたいと思った店は『珈廊』:ギャラリーと思って入ってくる人がいたり、鉄工所に特注で作ってもらったねじり脚の椅子、しっかりとパターンがつけられた左官仕上げの白い壁に室内にある装飾の緑の瓦、アーチ状の窓や扉など店内が小粋なスパニッシュ様式で統一されているようです。2018/11/30
sin
70
街中から喫茶店が消えて行っている。店舗の老朽化による改装費用の問題、世代交代による後継者の不在、こういったお店を支えてきた常連客の高齢化、そして大手の台頭による若者の純喫茶離れ…向かい風が吹き付ける。そうした風潮の中でここにはきらりと光るお店が並んでいる。いずれも頑ななまでに自らのスタイルを守り続けてきたお店であることが頼もしい。偶然、実家のすぐ近くに、また勤務先の近くにもここに紹介されたお店が在った。今度休日に訪れてみようと思う。2017/02/06
ねむねむあくび♪
65
図書館の本。建築好きですが、関西のクラシカルな喫茶は、タバコが苦手な私には敷居が高い場所です…。しかも、古めかしい外観もあってなかなか足を踏み入れない所(*´ω`*)この本で、古い喫茶店のインテリアや、建築美に触れられて良かったです♪(*^^*)いつか、京都のぎおん石の喫茶室に、コットンさんや建築好きの皆さんと行ってみたいなぁ~♪ヽ(´▽`)/2017/05/14
ホークス
54
2016年刊。建築家やデザイナーのグループによる喫茶店の写真集。一巻めは関西。インテリアや空間構成の見どころが押さえられている。店の歴史を語る解説は控えめで心地良い。喫茶店は主人の美意識を体現したスペース。大阪の珈琲艇キャビンは溢れる船の意匠にため息が出る。ここでクリームソーダが飲みたい。京都の翡翠は、重厚な店内でシャンデリアが輝く。2階がビリヤード場だった建物の佇まいも泣かせる。京都商工会議所ビルの店は、古くて凝った内装がウットリさせる。京都の静香には戦前の上品な設えが保存され、繊細なドールハウスのよう2022/01/19
ロア
26
あ、だからwestなのか。大阪、京都など、そちら方面の老舗喫茶店・洋食店が33店舗紹介されています。その時代ならではの個性的で独特なデザイン、手間とコストを惜しまず注ぎ込み生み出された空間は、今も開店当時のインテリアとスピリットが変わらずに保たれているのですね。そして何故かどの店からも、共通する同じオーラのような…何かぐいぐいくるものを強烈に感じて、とても苦しい。。。写真でこんだけ苦しいなんて、気弱な私には少々ムリ目なお店ばかりでした(;^ω^)2017/01/20