内容説明
まるがいなくなって、ほぼ1年になる。ポンと頭を叩いて、「バカ」というと、少し迷惑そうな顔で薄目を開ける。それができなくなったのが残念である。まるの写真114枚掲載。
目次
図らずも人気者に
ときどきまる
最期
死に場所
まるが来た日
無口な猫
ペットロス
人命は地球より重いか
まるが死んでから分かったこと
まるはものさし
感覚が優先する社会
日本人は「実感信仰」
まるの生き方
ブータンの幸福
自足する者の強み
死んだ動物のすむ星
四門出遊
大切なのは生き物らしさ
多様性の否定
安藤忠雄さんからの手紙
散歩
虫塚
こだわらない心
特別な猫
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。幼少時から親しむ昆虫採集と解剖学者としての視点から、自然環境から文明批評まで幅広く論じる。東大医学部の教授時代に発表した「からだの見方」で89年、サントリー学芸賞。2003年刊行の「バカの壁」は450万部を超える大ベストセラーとなった
平井玲子[ヒライレイコ]
2005年5月、養老孟司の秘書として有限会社養老研究所に入社。10年3月、インターネットで「そこまるブログ」をスタートさせ、まる(猫)の写真を投稿し始める。19年11月には「まるすたぐらむ」を開設。まるのフォトブック「そこのまる」「うちのまる」やDVD「どスコい座り猫、まる。」の制作にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
254
養老 孟司は、新作中心に読んでいる作家です。昨年亡くなった著者の愛猫「まる」追悼フォトエッセイ、著者の猫愛が溢れています。但し、まるをマヨラーにさせて、アメリカ人の太っちょのような肥満にしたのは、著者の責任だにゃあ(=^・^=) https://www.amazon.co.jp/dp/490844367X2021/12/07
ぶち
88
養老孟司さんの愛猫"まる"との暮らしで感じた事についてたくさんのまるの写真と共に語ってくれています。人と暮らしている猫は、人間の都合や習慣に付き合うことでどこか人間っぽい行動や性格になっていくような気がする。猫は猫らしくあれという考えで、完全室内飼いではなく自由に家に出入りできる環境にいたまる。まるは猫として好きなようにやりたいように生きられて、とても幸せだったなのだと思いました。「まるは理屈なんか言わず、素直に生きて、素直に死んだ」と語る養老さんは、猫からすると最高の飼い主なのかもしれませんね。2023/02/17
nyaoko
80
猫はもう、ずっと人のそばに居て、それがまた当たり前で、いなくても、いなくっても当たり前な存在。ふとした時にいたことを、いなくなったことを思い出し、養老先生はいかに「まる」が尊い猫だったかを書いている。飼い猫を通して見つめ続けたのは自身の死生観だったのでは。『足るを知る』人も、全ての人が、「まる」のようになれたらいいなと思った。猫はいい。猫はいい。2022/05/26
ぶんこ
76
たくさんの写真に癒されました。まるちゃんだけではなく、花の写真もたくさんあって、散歩の時には植物図鑑アプリで花の名を調べては撮っていたそうです。私も早速同じアプリをいれました。娘さんが猫嫌いの母親が旅行中に家に迎え入れたそうで、ナイス!太めで大きな目、安心しきったどすこい座りと、何をしていても可愛い。養老孟司さんのお顔がいいですね。秘書さんのコラムもさりげなくていい。自分のお墓を考えたことから虫塚を造られ、そこにはご自身と勿論まる、そして虫に関わりのある人たちなら誰でも入っていいことにしたそうです。2022/07/09
miww
65
養老さんの愛猫、まるさんが逝ってから1年。行きたいときに行きたい場所に行き、したい事をする自由気ままな生活を謳歌するまるさんとせんせいの優しい眼差し。たくさんの写真にまるさんが生きた証と一緒に過ごした大切な時間が凝縮されていた。死なれてみると気持ちの整理に時間がかかった。まるのいそうな場所にふと視線が向く。先生の飾らない言葉の中にまるさんへの深い愛を感じました。2022/03/29