内容説明
末期腎不全の発症で、当初は人工透析を受けつつ、遺された余生を生ききるつもりだった著者はなぜ、生体移植を受けるに至ったのか? 生体移植の実態を石田英樹教授と語り尽くす。
目次
はじめに 私はなぜ「決断」したのか 佐藤優
第一章 手術直後、「世界」が変わった
第二章 患者学のすすめ
第三章 執刀医から見た「患者・佐藤優」 石田英樹
【インタビュー】移植コーディネーターという仕事
第四章 エキスパートに求められること
第五章 日本の医療は「持続可能」か
第六章 生体腎移植にもっと光を
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かずぼう
17
中国の医師は、腎臓移植手術をやればやるほど歩合で収入が増える、それにひきかえ日本は休日出勤で急遽手術となっても給料は定額、今の医療は医師の使命感によって支えられている事を知った。それにしても医師と対等に話してしまう佐藤優氏の知識量はすごい。2025/11/29
あまみ
16
著者の佐藤氏と、医師の石田先生との対談が多くのページを占めている。だが佐藤氏は石田先生から話を聞きだすだけでなく、(完成された本になるよう、かな?)自分の知識なり意見も織り込んでいる。読んでいて飽きない対談本である。また、ネタが驚きの連続の書である。佐藤氏の外交の話は特に面白かった。2025/12/20
入道雲
9
日本の医療が瀬戸際に立っていることがよく分かる。鋭い論者の佐藤優さんと腎臓移植医の石田さんの対談形式で、佐藤さんの闘病記や少し外交話、最後の保健医療の現状は早く対処が必要だと思う。2025/11/12
ソバージュ
7
著者は2023年に腎臓移植をされたそうだ。透析までは既知でしたし、友人が急に腎臓を害し腹膜透析に至ったので早速手に取った。移植後身体的にも金銭的にも楽になり、精力的に執筆活動もされてると知り誠に喜ばしい限り。移植について、執刀医との対談、医師から見た患者、日本の医療について語られる。医療システムや献腎手術のタダ働きには大いに驚いた。2025/08/16
志村真幸
3
佐藤優さんは、2023年6月に東京女子医科大学病院で腎臓移植手術を受けた。 本書は、執刀医の石田英樹さんとの対話形式で、近年の腎臓移植の実情について紹介したもの。実際の自身の体験をもとに語ってくれているので、リアリティと説得力がある。 移植手術というと、怖がるひとも多いのだが、腎臓移植は成功率がきわめて高く、また病状が劇的に改善する。夫婦間での移植例が増加するなど、技術も格段に進歩しており、後遺症もほとんどないようだ。 移植コーディネイターという、あまり知られていない職業についても。 2025/08/10




