内容説明
「うち、在日二世やねん」いきなり、それ?笑いと涙満載の人生物語。
目次
秘密の花園
夢の島
そら豆の思い出
船乗りの一郎さん
うちの子ハイジャックされたん
なっちゃん家を買う
うち悩みがあんねん
二つの裁判
子ども商売人なっちゃん
なっちゃんの初恋
夜間中学
お空が見ている
天国行きのプラットホーム
あとがき
著者等紹介
寮美千子[リョウミチコ]
作家・詩人。1955年、東京に生まれる。毎日童話新人賞、泉鏡花文学賞を受賞。2007~16年、奈良少年刑務所において「社会性涵養プログラム」のなかの絵本と詩の教室の講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shiman
14
奈良で初めて日本人男性と結婚、帰化され、50歳を過ぎてから文字を学んだ在日二世のなっちゃんの話。著者の奈良少年刑務所関連のものに興味があったのだけど先に最新刊を読むことに。作中「書かないで」と言われてたのに何故書かれることになったのかな、と裏側の方が気になります。2021/10/27
spatz
13
在日二世のなっちゃん。日本人男性と結婚したことを機に帰化したため、在日社会にも溶け込めなかったという。差別という言葉では括れないほどの思いをしたなっちゃん。文字が読めず、50をすぎて夜間中学で日本語を学ぶ。最後の方で、北海道のアイヌの話まで出てきた。幅広い活動をしてる寮さんの本はいつも面白く、深い。川辺でであった人からの聞き取り。日本人ってなんだろう、という問いは、深い。これほどの地獄を生き抜いたのに明るい。なんでも面白がることのできる人、という言葉が使われているが、生半可なことではなかっただろう。 2022/01/30
シロツメクサ
2
なっちゃんの明るさに救われるけれども、なんという差別の歴史があり、今も少なからず続いているのではないかと思います。2022/01/30
mick
2
まるで朝ドラのような波乱万丈さ。在日の人たちの現実的で重い歴史、現在が、なっちゃんのパワフルさと明るさによって、居心地の悪さから目を背けずに、しっかりと読み進められた気がする。ぜひ多くの人に読んでもらいたい。2022/01/09
やっさん
1
著者の講演会のあと、本屋さんに立ち寄ってすぐに購入したものの、読みかけの本もあり、なかなか読み出せなかった。 内容は非常に重たいんだけど、なっちゃんの人柄がすごくよくて、非常に軽快に読み終えてしまった。 こんな人生はこの人しか生きられないと思うが、歴史的な問題や今なお残る差別意識や行政の問題など、考えさせられることも多い。子どもから大人まで、いろんな立場の人に読んで欲しい。 2022/01/15