内容説明
フィンランドのモダンデザイン界で圧倒的な存在感を放つタピオ・ヴィルカラ。妻はセラミック・アーティストのルート・ブリュック。ラップランドの静寂をこよなく愛し、生命の神秘や大自然の躍動から得た着想は、代表作の一つ「ウルティマ・ツーレ」に結実した。大地や都市に身を置き素材を観察し、柔らかな手で線や絵を描き姿形を彫り出し、ガラスや磁器、照明や家具などのプロダクトデザインやグラフィックデザインのほか、木彫、金工、ランドスケープアートを残した。本書はタピオ自身が撮影した芳醇なカラー写真と作品やドローイングの図版を渾然一体化し、「手触り」「姿」「ラップランド」「都市」「循環」などの断層を巡り、タピオの眼や手となり、脳内をトリップする。ダニエル・ナイルス、吉泉聡、勝見勝、江口宏志、サミ・ヴィルカラの5氏が寄稿。巡回展「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」が2025年4月から東京ステーションギャラリーでスタート。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
水蛇
2
午前中はこれにかかりきり。解説を省いたどこまでもソリッドで骨太なデザイン集。180度フラットに開く仕様もだいすき。寝転んで浸れる。すべての画集やデザイン集はこうであれ。2025/08/12
きょ
0
タピオ・ヴィルカラ展にともない発行された本。タピオ・ヴィルカラ自身が撮影した写真と作品やドローイングの図版をカテゴリー毎にまとめて見ることができる本……とのことですが、わたしの読み方が下手すぎてあまりそういう意識では読むことができなかったのは残念。会場のドキュメンタリー映像で見た、できた器に水を入れて撮影するあたりや、自らナイフを握って作業をする姿などを通じて、作家の考えが見られるのはよかった。2025/08/31