ナツコ―沖縄密貿易の女王

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  • サイズ B6判/ページ数 405p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163669205
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

戦後の沖縄密貿易時代を、類まれな才覚と器量で颯爽と生きた女親分「ナツコ」を生き生きと蘇らせた画期的評伝ノンフィクション!

内容説明

沖縄がいちばん熱くていちばん苦しかった時代に夢と勇気を与えてくれた。だから、ありがとう、ナツコ。

目次

序章 五十年目の追憶
第1章 黄金の海に浮かぶ島
第2章 ヤマトへ
第3章 小さな商人
第4章 華僑のパートナー
第5章 八重山の「母」
第6章 香港商売
第7章 本部十人組の頭領
第8章 夏子逮捕
第9章 破船
第10章 夢の途上
終章 娘の回想

著者等紹介

奥野修司[オクノシュウジ]
1948年大阪府生まれ。立命館大学卒業。1978年から南米で日系移民調査。帰国後、フリー・ジャーナリストとして活動
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オカヤン

5
終戦直後の沖縄は貿易を禁止され、密貿易にて物資を獲得した。当時、密貿易で活躍した夏子とい女性の生き様を記すノンフィクション。戦争を実体験した人々がどんどんお亡くなりになる今。同じ失敗を繰り返さないようにどうすべきか考えて行動したい。2015/03/10

ちゃっぴー

4
密貿易の女王「ナツコ」の人生と共に、沖縄の戦後史のひとコマも描かれている。わずか38才という若さで亡くなったナツコ。その人生は濃厚でスピード感に溢れている。その実行力はオトコマエ!2012/09/18

りぃ

4
1957年、群馬の米軍演習場で薬莢拾いをして糊口をしのいでいた農民が米兵に撃ち殺された。一方、軍政下の沖縄では米軍基地から持ち出された24トンもの薬莢が「戦果」として中国へ渡っていた…「ウチナー世」に確かに君臨した女を、ナツコたちの沖縄を、「沖縄ではベトナム戦争に伴い祖国復帰運動が起き~」という4行で27年間を片付ける日本史の教科書で知ることは到底できない。2011/01/26

くれの

3
女傑と評するには言葉が安直過ぎて、かくも素敵な人物が歴史に埋もれていたのは申し訳ないと思いました。大胆かつ繊細な人柄にみな惹かれた彼女なら、雇用機会均等を謳う今の日本でどう切り盛りしただろうかと想いが募ります。2012/05/15

彩也

2
終戦直後の沖縄は「大密貿易時代」だった。当時三十代のナツコは、沖縄と本土、近隣の台湾だけでなく、香港まで密輸ルートを開拓、巨額の利益を上げてゆく。娘すら「思い出せば思い出すほどわからないことばっかり」と語る彼女の姿は大きすぎて、捉えきれない。活気ある当時を知る人々は「もういちど、あの時代がこないかねぇ」と呟くが、来てはならない時代であろう。生きるために米軍のゴミを再利用し、生活に直結する米や薬を密輸に頼り、荷揚げする海岸には沖縄戦の死者の人骨が転がる。そんな時代の光も闇も背負って駆け抜けたのがナツコだ。2012/06/11

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