感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めがとろん
6
各人の思惑がチラリと見え始める第二部。伏線も段々と回収されていってる、のかな?三角関係も進展。友愛を口実に正しく稼ぐ者達の財産がどうしようもなくたかられて崩壊させれていく。でもたかり取った財産を上手く機能させられず、創造することが出来ない者達の愚かさ。創造出来る消えていった者達の行方も少しずつ明らかに。そしてジョンゴールドの正体!久しぶりに夢中で読んでる本。2021/11/09
Sunlight
5
第2巻、物語は中盤の盛り上がりをみせます。ハイライトはフランシスコの長尺セリフですね。そのほかにも登場人物たちの関係が複雑に絡み合いながら自然なかたちで波乱が起きていくところはさすがです。経済活動における自由がどこまで認められるのか、強すぎるプロダクトやサービスはいつの世も出る杭は打たれるようで、、、2025/02/24
イコ
5
文学史的には黙殺で、大衆には人気のある小説。有能対無能がこれでもかと書かれていて、世界の歯車がどんどんおかしくなっていくのが、もどかしくも面白い。現代でもと言うか現代こそ寄生虫みたいな生き方する人たちって多いから、私はどっちかって言うと有能な方の生き方をしたいけど、物語では全員酷い目にあっていて可哀想。ここまで酷くないけど、真面目な人が損する社会て既に出来上がりつつあるよねぇ。ジョン・ゴールトって誰?2023/09/23
roughfractus02
5
資本主義の徹底した衰退が進行する第二部で浮上するのは、資本主義を肯定し、エゴイズムを保持する合理的保守主義という態度である。共和・民主の党派を超えて米国で本書が読まれるのは、世界の危機に対して個人を保守するこの態度が根底にあるからだという。「ジョン・ゴールトって誰?」という危機の蔓延を示す合い言葉が、主人公たちの作る鉄道ジョン・ゴールト線として世界に実体化する時、流通は物質交換ではなく個人の努力と意志で成り立つのだという作者の思想が仄めかされる。当初予定された本書のタイトルは「ストライキ」だったという。2018/05/07
Akiro OUED
3
第二部は一転して暗い。ハイエクが否定した計画経済の間抜けぶりがこれでもかというほど描かれる。資本家に必要なプロテスタンティズムはビジネスで発揮すべきであって、それを私生活に持ち込むな、というのが本書の教訓かもね。非課税世帯への給付金とか、計画者ムーチ氏なら賛同するだろうね。2024/12/13
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