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内容説明
平成最後の「歌会始」で詠まれた「ひまはりの種」、その背景には阪神淡路大震災で小学生の妹を失った姉と家族の物語があった。残された中学生の姉の孤独と迷い。会話が絶え、病に倒れる父と母。だが、自宅跡地に偶然咲いた「ひまわり」の種が、人びとの手で神戸から全国へ、そして皇居の庭へと広がり、崩壊した家族を再生へと導いていく。家族が嫌いになったことがある中学生・高校生、そんなわが子にとまどう親、日本中の家族に届く優しいことばに満ちた本。版元廃業に伴い絶版になった本書を増補改訂し緊急復刊。
目次
増補新版のためのまえがき
プロローグ
1 「こんなん家族じゃないわ!」一瞬にして消えてなくなる「ふつうの生活」(家族の会話はなくなった;精神神経科へと回され;学校へ行けなくなった;毎日のように手首を切る;私なりのSOSだった この家を出よう;父がポツリと言ったこと;母の入院;突然「親の介護」がやってきた;母がとても小さく感じられて;「お父さんが倒れた」;少しずつかたちになりだした家族)
2 はるかちゃんのひまわり(瓦礫に芽を出したひまわり;妹の同級生のお父さんが教えてくれた;なんでこんなところに咲くんやろう?;近寄らないようにしていた;シンボルフラワー;少女画家・アレキサンドラ;初めて自分の意思で種まきに;「ひまわりウォーク」の思い;友だちの心の中に生きている)
3 震災の「語り部」に(NPOの理事って何すんの?;「HANDS」の原点;ありのまま話すだけ;自分が鍛えられる「語り部」;「はるか」が身近にいるように感じて;1・17の集いに初参加)
4 はるかが出会わせてくれた人たち(「それは恥ずかしいことじゃない」;この人と話がしたい!;その本に出合わせてくれた先生;「生きろ!」と書いてくれた;はるかの校長先生;神戸からニューヨークへ;「あなたはあなたでいいの」;出会った人がいたからこそ)
5 新しい一歩(毎日ハンドボールに打ち込んでいた;引きずることは悪いことなのか;ずっと傍にいたいのに;一度も泣くことができなかった;「頑張れ」は今も嫌いな言葉;そのあたりまえが大切;わかっているけれど、それでも;安心してなける場所だったけれど;仙台の「はるか」ちゃん;大きくなったり小さくなったり;NHK「青春のメッセージ」に入れたかった言葉;私ひとりで東京に行けるんだろうか;二三歳にもなってホームシックに;やることはやったぞ;今の私には場所がある;はるかが新しい出会いをまたつくってくれた)
エピローグ―天国のはるかへ
増補新版へのあとがき
解説―堀内正美
関連年表
著者等紹介
加藤いつか[カトウイツカ]
1979年、神戸市生まれ。神戸市在住。1995年1月17日、中学三年生のときに阪神淡路大震災で妹・はるかを亡くす。高校卒業後、専門学校を経て介護職に従事。NPO法人阪神淡路大震災「1・17希望の灯り」理事。2018年、第一子誕生。著作に『はるかのひまわり』(ふきのとう書房/2004年刊/2019年に『増補新版はるかのひまわり』として復刊)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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