内容説明
作家の晩年、老いと病の中の“悟り”とは。七十歳にして心筋梗塞で三分の二が壊死、阪神淡路大震災に遭遇。八十歳で左目が失明。たび重なる臨死体験が得た「一日暮し」。
目次
1 一日暮し(一日だけ生きる;災禍を生きる;正受老人;「自力」の生命論)
2 病と日常(一点を凝視する力―子規と病の日常;病院放浪)
3 死への立ち向かい方―禅僧遺偈選
著者等紹介
水上勉[ミズカミツトム]
1919(大正8)年、福井県大飯郡本郷村(現・おおい町)生まれ。10歳の時、京都の臨済宗相国寺の塔頭・瑞春院に入る。旧制花園中学校を卒業後、寺を出て、1937(昭和12)年、立命館大学に入学。1940年、東京に出て出版関係などいくつかの職に就くも、郷里に疎開、国民学校に勤める。戦後、東京に出て出版の仕事をしつつ文学修行、宇野浩二に師事する。1959年、『霧と影』を発表し本格的な作家活動に入る。1961年、『海の牙』で探偵作家クラブ賞、『雁の寺』で直木賞、1971年、『宇野浩二伝』で菊池寛賞、1975年、『一休』で谷崎賞、1977年、『寺泊』で川端賞、1983年、『良寛』で毎日芸術賞を受賞する。2004(平成16)年9月永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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