内容説明
先行者はいない、小説の可能性を追求した作家、つねに現代小説の最先端を切り開いた作家の、初期から晩年までの作品をたどる本格的作家論。古井由吉との対談2篇併録。
目次
第1章 作家の誕生
第2章 文体の脱構築へ
第3章 黙示としての文学
第4章 預言者としての小説家
古井由吉×富岡幸一郎・対談二篇(フィクションらしくないところから嘘をついてみようか;災禍からしぶとく生き残った末裔として)
著者等紹介
富岡幸一郎[トミオカコウイチロウ]
1957年東京生まれ。文芸評論家。関東学院大学国際文化学部比較文化学科教授、鎌倉文学館館長。中央大学文学部仏文科卒業。第22回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞。西部邁の個人誌『発言者』(1994~2005)、後継誌『表現者』(2005~2018)に参加、『表現者』では編集長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
3
古井が物故してもう一年以上も経つのかという感慨と、それなりに古井の作品を読んできたと自負してきたのにも関わらず、自分は氏の作品の何を読んできたのだろう?という自責の念にかられることに。本書で引用される古井の作品を目にする度に懐かしさと言いようのない焦燥感を覚えた。「あの頃もっと氏の作品を読み込んでおきたかった!」と。氏の作品にえも言われぬ豊穣な世界が潜んでいることは、それなりに痛感していたが、こうやって詳細に渡ってその世界を改めて紹介されると、その全作品を読み返したくなる。この評論自体も読み返したい。2021/07/25
Gakio
1
評論というか各作品のブックガイドという感じだが、買って良かったと思う。巻末の二つの対談も良い。富岡幸一郎は高校生くらいでYouTubeでドストエフスキーについて語ってるのを観て以来、一貫して信用している。 まだ未読の『聖耳』『白暗淵』などが読みたくなった。 ただ『仮往生伝試文』で、あえて日記を導入したと言われても、『聖』とかのほうが作品の密度が高い(ゆえに名作)という印象は変わらない。2025/03/30
涼
1
通読してもほとんど頭に残らない。これは私だけのせいなのだろうか?2021/10/12
-
- 和書
- 新宿野戦病院