内容説明
「純粋知覚から記憶へと移行することで、われわれは決定的な仕方で物質を離れ、精神へと向かう」―本書において著者は、観念論・実在論をともに極論としてしりぞけ、事物でもなく表象でもない、中間的なものとして「イマージュ」という概念を提唱する。そして、精神と物質との交差点として、記憶・想起の検証へと向かう。デカルト以来の近代哲学最大のテーマ「心身問題」に、失語症研究など当時最先端の科学的知見を動員しながら、緻密な論証で新しい“二元論”を展開する。今日、心脳問題への関心の中で、その重要性がいっそう、高まる主著。
目次
第1章 表象に向けてのイマージュの選択について―身体の役割(現実的作用と可能的作用;表象 ほか)
第2章 イマージュの再認について―記憶と脳(記憶の二つの形式;運動と想起 ほか)
第3章 イマージュの残存について―記憶と精神(純粋想起;現在は何に存するか ほか)
第4章 イマージュの境界画定と固定について―知覚と物質、魂と身体(二元論の問題;従うべき方法 ほか)
著者等紹介
ベルクソン,アンリ[ベルクソン,アンリ][Bergson,Henri]
1859‐1941年。パリ生まれ。旧来の認識論の限界を超えるべく実証主義の手法を採り入れ、すべてを持続の相の下に捉え直し、直観によってこそ生きた現実が把握されるとする独自の経験論を確立した。1900‐1921年コレージュ・ド・フランス教授。第一次大戦頃より政治的発言や活動も多く、1929年にノーベル文学賞を受賞
合田正人[ゴウダマサト]
1957年生まれ。明治大学教授。フランス思想史
松本力[マツモトツトム]
1973年生まれ。法政大学大学院哲学専攻博士後期課程(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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彩菜
home alone
masawo
roughfractus02