ちくま学芸文庫<br> 物質と記憶

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ちくま学芸文庫
物質と記憶

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  • サイズ 文庫判/ページ数 430p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480090294
  • NDC分類 135.4
  • Cコード C0110

内容説明

「純粋知覚から記憶へと移行することで、われわれは決定的な仕方で物質を離れ、精神へと向かう」―本書において著者は、観念論・実在論をともに極論としてしりぞけ、事物でもなく表象でもない、中間的なものとして「イマージュ」という概念を提唱する。そして、精神と物質との交差点として、記憶・想起の検証へと向かう。デカルト以来の近代哲学最大のテーマ「心身問題」に、失語症研究など当時最先端の科学的知見を動員しながら、緻密な論証で新しい“二元論”を展開する。今日、心脳問題への関心の中で、その重要性がいっそう、高まる主著。

目次

第1章 表象に向けてのイマージュの選択について―身体の役割(現実的作用と可能的作用;表象 ほか)
第2章 イマージュの再認について―記憶と脳(記憶の二つの形式;運動と想起 ほか)
第3章 イマージュの残存について―記憶と精神(純粋想起;現在は何に存するか ほか)
第4章 イマージュの境界画定と固定について―知覚と物質、魂と身体(二元論の問題;従うべき方法 ほか)

著者等紹介

ベルクソン,アンリ[ベルクソン,アンリ][Bergson,Henri]
1859‐1941年。パリ生まれ。旧来の認識論の限界を超えるべく実証主義の手法を採り入れ、すべてを持続の相の下に捉え直し、直観によってこそ生きた現実が把握されるとする独自の経験論を確立した。1900‐1921年コレージュ・ド・フランス教授。第一次大戦頃より政治的発言や活動も多く、1929年にノーベル文学賞を受賞

合田正人[ゴウダマサト]
1957年生まれ。明治大学教授。フランス思想史

松本力[マツモトツトム]
1973年生まれ。法政大学大学院哲学専攻博士後期課程(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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34

31
ベルクソンはなんと常識的に非常識的な哲学者なのだろう。ちょうどカントが非常識的に常識的な哲学者だったのと好一対をなしている。カントのコペルニクス的転回は実質的にはプトレマイオス的転回だった、つまり極端に人間中心主義的な哲学だったわけだが、ベルクソンはあくまで常識を用いてコペルニクス的転回を遂行しようする。経験の所与から直接的なものを析出し、それがいつ有用なものの方へと折り曲がるのかを突き止めること。しかしその「経験の曲がり角」を曲がったその先が、人間的なものや常識的なものに似ている保証はどこにもないのだ。2017/03/26

彩菜

18
私の身体を研究する。遠心神経・求心神経、それは知覚が測る行動をただ運動へと引き延ばす。脳も記憶を蓄積しない。脳の損傷は記憶の喪失でなく回想能力に関わるだけ。記憶は身体から独立したものとして後から知覚に混入する。だから様々な記憶の障害は知覚から運動への、或いは記憶から知覚への運動図式により説明されるだろう。身体からの呼び掛けに、私の記憶の全体は行動へと知覚に合致するよう収縮する、生への緊張に応じた観念を創造する。記憶のこの運動、知性の営み。私は身体に則して考える。同時に身体に刻むだろう、精神のその自由を。2019/12/29

home alone

10
ベルクソンはやっぱ独特です。一流の哲学者は独創的じゃないと駄目だけど、彼はかなり変わってる。哲学に記憶の話し持ってきて、それが行動に影響を及ぼす、という話。その前に、物質同士の作用反作用の様に、純粋知覚が脳で起こりそれが行動として現れる、という話がある。これが物質的な次元。更に状況に適応可能な記憶が選別されて意識上に浮かびあがり行動に影響を与える。これが記憶の次元。こうして独自の二元論を構築。哲学、物理、数学は論理追うのが楽しい2012/11/21

masawo

8
通読に一ヶ月ちょっと要した。ガチの哲学かと思いきや、病理学や心理学などを巻き込んだ学際的な研究スタンスなので、逆に理系の専門家はこの本をどのように読むのか気になる。抽象概念を弄ぶのではなく人間の意識や行動に焦点が当てられている。難解だが傲慢さは感じられず、ひたすらクソ真面目なオッサンという印象。イメージ図がもっと豊富だと理解の助けになるので誰か作って欲しい。2019/03/07

roughfractus02

7
物を対象として扱う科学とも物自体を前に認識側に留まる哲学とも相容れない著者は、物と精神を繋ぐ記憶が状態を扱う点に着目する。前著で科学の時間概念に対象化不能な持続を見出した著者は、この未完了相に沿って運動する身体を物の中に置き、対象に留まる科学と哲学のドグマを感覚運動系から刷新した。本書中盤の「記憶の円錐」図を見ると、生命は精神の純粋状態(純粋過去)と物を感覚するだけの純粋状態(純粋知覚)の間を、想起と運動の2種の記憶によって弛緩/収縮しながらイマージュの中を彷徨うというビジョンが動き始める(1896刊)。2024/09/19

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