感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かもめ通信
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韓国の哲学者による金時鐘論。日本語で書かれた「在日」や「光州事件」についての詩を、韓国の著者はどう読み解くのか、なんだかとても気になって読んでみた。「詩を読むということは詩に巻き込まれることであり、詩人の霊魂に捉えられることである」という著者。ハイデガーをひくなど哲学的な考察も多いのだが、金時鐘愛読者らしい「巻き込まれぶり」が非常に興味深く、私自身もすっかり身を委ねて一緒に巻き込まれ、とりあえず最後まで一気に読んだ。金時鐘の詩集を読み、いつかまた再びこの本に戻ってきたい。2025/01/27