出版社内容情報
郡山 吉江[コオリヤマ ヨシエ]
著・文・その他
内容説明
リブもフェミもなかった時代から、女として、日雇労働者として、“反権力”に生きたその肉声が、階級格差と分断が進んだ現代に甦る。
目次
1 にこよん女の手記(太平のおくりもの;だらけてない失対人夫 ほか)
2 今日的状況をこそ(3・8集会に出席して;それは私の中の恥部、しかし語らねばならない ほか)
3 救援の現場から(新宿事件公判を傍聴して;府中刑務所へ待遇改善の申し入れ ほか)
4 詩のほうへ(中国を訪れて;沖縄を旅して ほか)
5 冬の雑草―自伝的エッセイ(冬の雑草(『救援』版)
私の未来図 ほか)
著者等紹介
郡山吉江[コオリヤマヨシエ]
1907年、仙台市に生まれ、83年、清瀬市に没する。小学校卒業後、タイピスト学院に通う。童話雑誌の同人となり、『プロレタリア詩』への寄稿を通して詩人の郡山弘史を識る。1931年、実家を出て上京。1945年の敗戦後、仙台で日本共産党に入党(50年に除名)、婦人民主クラブの初代仙台支部長となる。1948年に再上京、ニコヨンとして家計を支える。1968年、国際反戦デーの新宿騒乱を機に救援運動にかかわる。以後、救援連絡センター、侵略=差別と闘うアジア婦人会議、婦人民主クラブなどの会員として精力的に社会運動に従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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クァベギ
3
郡山吉江さんについては、日雇い労働者を続けながら文章を書いた人、という程度の知識しかなかったので、勉強しようと思い、読むことに。郡山さんは、平塚らいてうや市川房枝などのインテリ女性が戦時中に体制寄りになったことを批判するが、それとともに当時の自身の生き方も厳しく問うている(手にしている資源が少ない中、病弱な子どもを育てなければならなかった事情を考えれば、彼女が反体制を貫くことができなかったとしても、責めることはできないと私は思う・・・)。そんな彼女の厳しい姿勢に、圧倒された。2024/05/17
ずー
1
”若年労働者が減って中・高年層からいかに搾取するかと日経連は真剣に考え始めている” ”権力者の統制は明治以前より今も延々と続いている。そしてそれに大多数の国民は挑発され主体性を失ってしまう。権力者が自ら創作した情報を、そのままプリントする昭和世代の新聞人、「心せよ」。”など、これが1970年代の時点で書かれたのか…と思う記述があり、今の世になっても問題が解決していないどころか後退しているんじゃないかと思った。筆者が今の世を見たらどのように思うだろうか。2023/04/24