内容説明
「日本のシンドラー」に関する伝説は、今後、本書によって書き換えられる。ニューヨークのユダヤ系機関に保管されている第一級資料にメスを入れ、徹底的に分析・調査。「神話」から歴史の真実を取り戻し、もう一つの脅威をあらわにする迫真の学術ドキュメント。
目次
第1章 リトアニアのソヴィエト化以前(一九三九年九月~四〇年五月)(JDCとリトアニア―第二次大戦開戦の報をうけて;ヴィルノ/ヴィルニュスのリトアニア併合をうけて ほか)
第2章 ソヴィエト・リトアニアの成立からソ連国籍の強制まで(一九四〇年六月~十二月)(一九四〇年六月~七月の大激動;体を殺すドイツ人、魂を殺すロシア人―「ユダヤ的ユダヤ人」に迫る危険 ほか)
第3章 大脱出(一九四一年一月~二月)(ソ連人となるか、無国籍者となるか;イェシヴァー救出計画の顛末(五)「外交上」の言語 ほか)
結論と今後の課題(ベッケルマンによる総括;ナチスの脅威の存否 ほか)
補遺(エマヌエル・リンゲルブルムによるイツハク・ギテルマン伝(抄)
書き手不明のJDC文書「リトアニアにおけるユダヤ人の絶滅」(一九四三年))