内容説明
戦後ドイツで最も重要かつ魅力的な社会運動家、ルディ・ドゥチュケ(1940‐1979)。アドルノ、ブロッホ、ドイツ赤軍らとの交流を通して「68年運動」のリーダーと目され、極右テロリストに銃撃される。奇跡的な復活後はドイツを反原子力/環境保護路線へと導いた、その短い生と思想を問い直す書きおろし評伝。
目次
第1章 東ドイツ時代
第2章 西ベルリンへ
第3章 学生運動の激化
第4章 国際ベトナム会議とプラハ訪問
第5章 ドゥチュケ襲撃事件とその余波
第6章 国外でのリハビリ生活
第7章 晩年の政治活動
著者等紹介
井関正久[イゼキタダヒサ]
1969年、東京都に生まれる。1999年、ベルリン自由大学博士号(Dr.phil.)取得。専攻は、ドイツ現代史。現在は、中央大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
14
学生運動の指導者から社会運動家として60年代・70年代のドイツで活動したルディ・ドゥチュケの人物像を振り返る。極右の青年ヨーゼフ・バハマンから銃撃され瀕死の重傷を負うも、驚異的な復活を遂げる過程は目を見張るものがある。「一九六八年」運動をはじめとした当時の空気感も全編から濃厚に感じられる。現代的な視点から改めてルディ・ドゥチュケを評価するにあたり、反権威主義が根底にあるとの著者の見立てが本書の一番の肝であろうか。戦後ドイツ史にどう位置づけるかも読みどころ。2025/07/02