内容説明
地球外生命体から猛禽類まで、有機物から無機物まで、すべてのクリーチャーに捧げる第一句集。
目次
犬を渡す
七人の妹たちへ
夜伽話
まるめろ主義
地球惑星
バスに乗る
怪雨
雲を飼ふやうに
団栗交換日記
麝香
大丈夫
空船
歌ををしへる女
替へ釦
銀を噛む
柑子を掲ぐ
望郷篇
ハッピー・エヴァー・アフター
著者等紹介
佐藤りえ[サトウリエ]
1973年宮城県生まれ。十代より独学で俳句をはじめる。2005年「恒信風」参加。2017年より「豈」同人。第四回攝津幸彦記念賞若手推薦賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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atomos
4
好きな句5句 眠かつた世界史(ロマノフ朝の転機) 夏来ぬといへばジョージの胸毛かな 四迷忌や点滴の痕もりあがる はんざきの眼に映る天国や 日傘など呉れて優しい男かな 2019/06/11
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1
渡されて犬のにほひたつうらら哉/夏星に妹与へ七人も/つながつてゐたい宇宙と夏蓬/アリスほどに憂き妹のかひやぐら/文字書いてないところだけさはりなよ/春雨や都庁の窓は暗すぎる/またバスに乗る透明な火を抱いて/夏痩せて肘からのぞくベアリング/人間に書けない文字や末草/一本に警官ひとり夜の新樹/色鳥や矛盾だらけの案内図/鳥類の図鑑を繰るも雪催/兎道歩いて行くの裁判へ/飽きられた人形と行く夏野かな/琺瑯の薬鑵の重さ秋の燈に/をぢさんが金魚を逃すその小波/抱きしめてやれぬストーブを点ける/多数派になつてしまへよ寒鴉2021/05/04
yumicomachi
1
全体的にぼんやりと掴みどころのない句が多い(そしてそこが魅力な)ようでいて、微量ながら強烈な毒を含んでいたり、はっとする視点の鮮やかな句にしばしば出会う。〈バスに乗るバビロンまでを遠まはり〉〈人工を恥ぢて人工知能泣く〉〈老人になれる日までの花いばら〉〈ゐない人だらけの無人駅野分〉〈ロシア帽みたいな鬱をかむつてる〉。2018年11月発行の第一句集。2019/01/28
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