出版社内容情報
シナリオの出版物が書店から消えて久しい。
月刊「シナリオ」や「年鑑代表シナリオ集」、或いは特定作家のシナリオ本はあっても、年代の異なる名作を収録したシナリオ集は皆無といっていい。
かつて、シナリオ作家協会が編纂した「日本シナリオ大系」という書籍があった。日本映画黎明期から現代(1980年)までの名作シナリオ(全6巻、127篇)を収録したもので、多くのシナリオライター志望者が熟読したものだ。しかし、この書籍も(第2巻の在庫を若干残すのみで)時代の流れとともに、いつしか絶版となった。
名作シナリオを後世に伝えたい。
その思いで、シナリオ作家協会はこの度、「日本シナリオ大系」を復刊することにした。尤も、以前のままでの出版は難しい。分厚い高価な書籍が売れない現実もある。そこで昨年、作協の会員にアンケートを行い、「日本シナリオ大系」に収録された全127篇の中から21篇を選定。「日本名作シナリオ選」と題し、上下巻にまとめ、出版する運びとなった。上下巻の収録順は、時代の古い順とした。
また、解説文は一篇毎に、現役の著名なシナリオライターにお願いした。
本書(上下巻)に収録された作品は、どれも日本映画史に残る珠玉の名作シナリオである。味読できる解説文を含め、シナリオとは何か、の答えが本書にある。
シナリオライターを志す人は勿論、映画ファン、業界関係者、プロのシナリオライターの方々にも、是非とも読んでいただきたい。
本物のシナリオが、ここにある。
「日本名作シナリオ選」出版委員会・委員長 坂田義和
<日本名作シナリオ選 上巻>収録作品
「盤嶽の一生」 山中貞雄
「無法松の一生」伊丹万作
「野良犬」 菊島隆三 黒澤明
「羅生門」 黒澤明 橋本忍
「本日休診」 斎藤良輔
「東京物語」 野田高梧 小津安二郎
「近松物語」 依田義賢
「夫婦善哉」 八住利雄
「浮雲」 水木洋子
「真昼の暗黒」 橋本忍
「豚と軍艦」 山内久
解説
田中陽造
池端俊策
柏原寛司
井上由美子
加藤正人
山田太一
大津一瑯
真辺克彦
奥寺佐渡子
青木研次
向井康介
巻頭の言葉 加藤正人
巻末解説 西岡琢也
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