内容説明
カリブ海に浮かぶハイチの国民宗教であるヴードゥー教。多くの映画、小説、音楽などに素材を提供しながらも、その実態はほとんど知られていないといえるこの宗教の、起源と歴史、神体系、儀礼までを通観する。
目次
1 ハイチとアフリカ人奴隷(ハイチ共和国;先住インディオとスペイン人の進出 ほか)
2 ハイチ革命とその後(奴隷たちの蜂起;トゥサンとハイチ独立 ほか)
3 西アフリカの宗教とその展開(ダホメーの宗教;神と祖先 ほか)
4 神々と人間(ロア崇拝;さまざまなロアたち ほか)
5 儀礼と憑霊(ウンガンとボコール;礼拝の場 ほか)
著者等紹介
立野淳也[タテノジュンヤ]
1964年、福山市生まれ。1988年、国学院大学文学部卒業。現在、著述業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林 一歩
9
欲しているモノのベクトルがあまりよろしくない方向をさしているようだ(苦笑) 入門書としては最適。2012/09/26
かずら
3
ホラー映画でお馴染みの、「わけのわからん呪術宗教」の代名詞ヴードゥー教。その発生と思想について。半分弱はハイチの歴史について。本題に入るのが遅いですが、ざっくりと背景を理解しないと、ヴードゥー教の文化を読んでいくのは難しいかもしれません。アフリカからの黒人奴隷たちが蜂起して作った国、ハイチでは、心のよりどころとしてのアフリカが必要だったんですね。ぽこぽこと増えていく神々は、日本には多神教があるから理解しやすいけれども、一神教の人たちにはゲテモノっぽく映るのもわかる気がします。2014/03/04
挫躯魔
2
この本では色々なヴードゥーの神様達が書かれていた、ニホンの神様のような八百万的な考えがヴードゥーにもあったんだってびっくりした。そしてホラー映画でヴードゥーがあんな描かれ方をするのはやっぱり歴史的な背景も関係してるのね2014/07/01
テツ
1
ゾンビのせいで怪しい邪教のような扱いを受けているヴードゥー教だけれど、アフリカからの黒人奴隷達が創り上げた国であるハイチでは心の拠り所としての信仰が必要であり、必要に応じて創り上げられたという極めて新しく現代的な宗教であり、数多くの神々を次々と生み出していく姿は日本を始めとする多神教の国から見たら違和感もあまりないかもしれない。何にせよ先入観でラベリングしてしまう前に知識をつけることが大事だと思う。宗教に限らずありとあらゆる事柄において。2014/06/11