内容説明
スロヴァキアは、独立国となってまだ十余年しか経っていない。国土は日本の八分の一、人口は日本の二〇分の一という小国である。国際的な知名度も低い。しかしここに住む人たちは、自分の国を大国にのしあげようなどという野心を持たず、歴史的に見ても自らの意志で異国に攻め入ったり、他の民族を支配下に置いたりしたことはない。逆に、近隣の大国に長年支配されていたのだ。しかし、人々は明るい気持ちを保ち続け、貧しくとも陽気に暮らし、自分たちの文化を育んできた。強力な軍事力や国際政治での影響力を持たなくても、文化に依拠しながら一つの民族として歴史と現代を生き抜いている。その生き様を本書で描いてみたかった。そして、そこから日本社会に向けてどんなメッセージが発せられるかを、考えてみたかった。
目次
なぜスロヴァキアか
国土と歴史
民族と言語
音楽文化と歌好きな人々
民謡のテーマ
生活と価値観
仲間関係と相互扶助
祝日・休日の過ごし方
酒場の社会的機能
話題としての政治と性
宗教と宗派
国民と民族
カルパチアの民
民族間の関係
時代の流れと文化の持続
著者等紹介
石川晃弘[イシカワアキヒロ]
1938年千葉県生まれ。1961年東京大学文学部社会学科卒業。同大学大学院、東京都立大学助手、中央大学文学部講師、同助教授を経て、中央大学文学部教授。社会学博士、プレショウ大学名誉博士、日本スロバキア協会会長、日本チェコ協会理事。専攻は産業・労働社会学、中欧社会研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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