内容説明
古い線路のそばに、6軒の家が連なる長屋がありました。住んでいるのは、みんな年老いた貧しい人ばかり。それぞれがそれぞれの人生を経て、今はこの古い長屋でひっそりと暮らしています。そんなある日、みんなで買ったクジが大当たり!とつぜん舞い降りた幸運に、長屋の人たちはどうしたでしょう?街の片隅や、路上の人々をテーマに多くの名作を遺した作家チャールズ・キーピング。唯一無二の絵の表現と、鋭い洞察力、あたたかいユーモアをもって描かれた作品です。
著者等紹介
キーピング,チャールズ[キーピング,チャールズ] [Keeping,Charles]
1924年、ロンドンの下町に生まれる。リーゼントストリート工芸学校でリトグラフ、エッチングを学ぶ。ローズマリー・サトクリフの作品に挿絵を描いたことがきっかけで、絵本の創作をはじめる。1967年『チャーリーとシャーロットときんいろのカナリア』(ロクリン社)で、イギリスの子どもの本に贈られる権威ある賞、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞。その後、1981年にも“The Highwayman”でも同じ賞を受賞している
ふしみみさを[フシミミサオ]
1970年埼玉県生まれ。洋書絵本卸会社などを経て、フランス語・英語を中心に子どもの本の翻訳や紹介につとめている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちえ
44
1回目読んでから、2回目、3回目とじっくりと絵に見入りながら読む。細かいところまで描きこまれている絵がとても生き生きしている。ペン画の色使いもすごくいい。6軒の家がつながっている線路長屋に住む年を取った貧しい人たち。くじが大当たりしたときのみんなの絵が楽しい。それぞれのお金の使い道に、フフッて笑いながらもし自分ならどの人に近いかな、って想像してしまった。お年寄りたちだけでなくて、子どもたちや犬や猫、金魚、鳩といった生き物の絵も生き生きしているなあ。2019/10/19
スプーン
36
「人間に必要なのは富ではなく、その人自身の善き心根である」というのがわかる本。2018/06/20
みつばちい
32
古い線路の片隅にある長屋に住む老人たち。ケチもいれば自転車好き、金魚好き、お料理好きもいて。ある日、いつもみんなで挑戦しているサッカークジに当たり、大金を手にした。さて、みんなの暮らしはどうなる?? 色味を抑えた絵が素敵。クスッと笑える場面もあった。子どもと読んでみたい。2022/12/14
ヒラP@ehon.gohon
26
廃線になった鉄道の側で仲良く生活する高齢者たちが、突然手にした大金に人生がどの様に変わるか、面白くもあり哀愁のあるお話です。 細々と暮らす老人たちには目の飛び出るような大金です。 これからの残りの人生をどの様に生きるかと考えると、その変化が性格でもあり、それまでの人生を物語っているように思いました。 生き甲斐を見つけた人、明るくなった人がいる一方で、破滅的になった人、さらに暗くなった人を見ると、自分がどのタイプになるか、人生を考えさせられる絵本です。 2017/12/29
カラスノエンドウ
18
淡々と、しかしながら深い味わいのある絵本。ショートムービーに作れそうなお洒落な感じが良いです。 古い線路近くの長屋に住む6世帯の老人たちは共同購入したくじが大当りして… 大金が入って変わるそれぞれの生活。ユーモアと哀愁が入り交ざり、じんわりと心に染み込んできます。2018/01/18
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