内容説明
図書室で見つけた不思議な本は、別の世界につながっていた!本をぐるりと回すたび、怪物のいる暗闇の世界に飛ばされる。小学6年生のシンは、光を失った世界を救うことができるのか。「本を回すと、世界がぐるりと変わる」驚きの回転アクション・ファンタジー!
著者等紹介
島崎町[シマザキマチ]
1977年、札幌生まれ。島崎友樹の名でシナリオライターとして活動。「札幌デジタル映画祭1999」最優秀賞、「2002函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞短編部門」グランプリ。脚本を書いた短編映画『討ち入りだョ!全員集合』(2005年)は国内外で多数受賞。連続ドラマ『桃山おにぎり店』(2008年)は「国際ドラマフェスティバル in Tokyo 2009ローカルドラマ賞」を受賞。2012年、短編『学校の12の怖い話』(長崎出版)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
96
10月3日に読み始めたら、なんと10月3日で止まった世界のお話だった。ページの上半分は現実世界を縦組みに、下半分は本の中の世界が逆さまの横組みになっている。ぐるりと本を回して2つの世界を行き来する。作中の本とリンクした面白い構成。小学生のいじめが描かれていて、子ども達のダークサイドに胸が痛む。気弱な少年が救世主となってなって戦う相手はいじめっ子というより自分の弱さ。2018/10/04
あじ
51
ハンドルを回すように時折“ぐるり”と本を回転させて読む、特殊な仕掛けを施した小説(児童書)。現実から異世界へひっくり返るタイミングで、縦書きから横書きへと暗転します。主人公のシンが、図書室で偶然手にした函の中の紙束。誰かの手によって綴じられたお手製らしい。逆さまに回すと…迷いこんだ先には太陽の存在しない町。現実にあってないものもある、微妙に形態を変えリンクしているようだが─。ジュニア版「かがみの孤城/辻村深月」といった趣(細かな設定は異なりますが)のファンタジーです。子供は夢中になって読むことでしょう。2018/01/09
shikashika555
26
高学年向け児童書。 図書室を訪れた小学生の冒険もの。 この年齢向けの話としてはどこかにもあるような筋立てなのだけれど、テンポが良くグイグイ引き込まれる。 そして何よりこの割り付けよ! 上下2段組、上段は縦書き 下段は横書き。 同じ世界なのに上段と下段では違う物語が進む。 タイトルの通り「ぐるりと」本を回して読んでみる。 こんな読み方は初めてだ。 物語の中に入った気分であっという間に読み終えてしまった。 読後感もさわやかで暖かい気持ち。2025/05/10
杏子
21
本を回しながら読むというのが、新鮮でおもしろかった。神戸へ向かう新幹線の中でほぼ読んだが。(カバーをかけて読んだので大丈夫!)小学生にもうけるかな? 夜のままの町というのが、他のファンタジー作品を想像したが、雰囲気はまるで違った。これはこれでよいが…いじめ問題をとりあげており、内容は重いが、結果としていい結末になったのでよかった。2018/04/24
Mie Tange
15
本を開くとページが上下に分かれていて、 上の部分は縦書き、下の部分は逆さまで横書き。 主人公が図書室で見付けた手作りの不思議な本を "ぐるりと"回転させると、 現実とは似て非なる世界に飲み込まれる。 そのタイミングで読者も 実際に本を"ぐるりと"回して読み進める。 物語としては小学生の男の子の小さな冒険譚だが、 仕組みも話もよく出来ていて児童書ながら とても面白く一気に読みきりました!2025/01/17